失業保険の受給期間は最大で240日(障害等のある方は360日)です。
受給期間中は28日ごとにハローワークへ失業認定を受けに行く必要があります。
とはいえ、病気やケガで失業認定日にハローワークへ行けないこともあるでしょう。
ましてや入院なんてしてしまうと、しばらくは働けなくなるから「受給の中断」も選択肢に入れないといけません。
このように、失業保険を受給し始めたけどやむを得ない理由でハローワークへ行けないときや、受給を中断したいときはどうしたらいいのでしょうか?
失業保険受給中に動けなくなったときは、病気やケガの長さによって選べる手続きが異なります。
病気やケガの期間 | 手続き |
---|---|
14日以内 | 失業認定日を変更するか、次回の認定日にまとめて失業保険を申請する |
15日以上 | 傷病手当を受ける |
30日以上 | 失業保険の受給期間を延長する |
これについて詳しく見ていきましょう。
失業保険受給中に病気で動けなくなったとき、認定日にハローワークへ行けなくなったときの手続きを解説しますね。
目次
【14日以内】失業認定日を変更するか、次回にまとめて認定
14日以内の病気やケガの場合は、失業認定日を変更するか、次回の認定日にまとめて認定してもらえば解決できます。
たとえば風邪やインフルエンザで認定日にハローワークへ行けないときは、この方法を使えばOKです。
本来は失業認定日は変更できません。
しかし、14日以内の病気やケガなどやむを得ない理由の場合は、認定日を変更したり次回にまとめて認定してもらうことが可能です。
たとえば10月15日の認定日にハローワークへ行けず、10月18日にその事実が分かる証明書を申請したら、失業手当の範囲はこうなります。
まず10月18日には、9月17日から10月17日まで31日分が認定されます。
そして11月12日には、10月18日から11月11日の25日分が認定されます。
認定期間はズレますが、最終的には満額が受け取れるので損はしません。
関連記事失業認定日って何するの?ハローワークの初回認定日の流れと注意点
ただし認定日を変更して失業手当がもらえるのは、病気・ケガ・就職活動など「やむを得ない理由」がある場合のみです。
旅行や帰省など私的な用事では失業手当の支給を受けることができないので、注意してください。
どういう理由ならOKかは↓こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事失業認定日にハローワークへ行けない・認定日を変更したい時の手続き
失業認定日の変更方法
失業認定日の変更をするには、次回認定日の前日までにハローワークで手続きをします。
病気やケガなどやむを得ない理由の場合は、事後連絡でもOKです。
手続きには「やむを得ない理由」を証明する書類が必要になります。
ハローワークでもらった「雇用保険のしおり」に傷病証明書がついているので、これを記入して提出しましょう。
傷病証明書には担当の医師が署名する欄があるので、受診時に記載してもらう必要があります。
診断書ほど高額ではありませんが、医師の署名には料金のかかる病院が多いです。
【15日以上】傷病手当を受ける
15日以上の病気やケガをした場合、失業保険を受給することはできません。
失業保険を受給できるのは「働ける状態にある人」なので、病気やケガをしていると失業保険はもらえなくなります。
ただし、申請すれば失業保険の代わりに傷病手当を受け取ることができます。
傷病手当とは
傷病手当とは、名前が違うだけで失業保険とほぼ同じものです。
給付内容や金額も失業保険とまったく同じ。待期期間や給付制限も失業保険と同じようにあります。
傷病手当を1日受給したら、失業保険の受給日数は1日減ります。
病気やけが人でも失業保険を受けられるよう、単に名前を変えただけのものと考えておけばいいでしょう。
傷病手当を受給するには、傷病手当支給申請書に病院の証明を受けて、ハローワークに提出します。
こちらも証明には料金のかかる病院が多いです。
「傷病手当」と「傷病手当金」の違い
傷病手当で注意しておきたいのは、健康保険の「傷病手当金」とハローワークの「傷病手当」は、名前は似てるけど全然違うものだということです。
まぎらわしいですが、健康保険の「傷病手当金」は在職中に支払われる手当で、ハローワークの「傷病手当」は失業中に支払われる手当です。
健康保険の「傷病手当金」とハローワークの「傷病手当」を二重に受給することはできません。
ポイント
- 健康保険の「傷病手当金」・・・在職中の病気やケガに支払われる手当
- ハローワークの「傷病手当」・・・失業中の病気やケガに支払われる手当
ただし、「傷病手当金」は退職後に受給し続けられるので、「傷病手当」と受給期間が重なる場合があります。
そのため、「傷病手当金と傷病手当は一緒に受給できない」という決まりがあるのです。
関連記事【うつ病などの休職でもらえる】傷病手当金の受給条件・金額・申請方法まとめ
【30日以上】失業保険の受給期間を延長する
30日以上の長期療養・病気・ケガの場合は、失業保険の受給期間を延長(先延ばし)することができます。
失業保険の受給期間は原則として退職日の翌日から1年間ですが、療養が長引く場合は受給期間を3年間(本来の受給期間と合わせて4年間)まで延ばすことができます。
もらえなかった分は後からちゃんともらえるので心配いりません。働けるようなるまで先延ばししておくといいでしょう。
受給期間を延長するには「受給期間延長申請書」をハローワークへ提出します。「受給期間延長申請書」はハローワークの窓口でもらえます。
病気やケガの場合は医師の診断書が必要になります。たとえばうつ病など療養が長引くケースなら、この受給期間延長申請をするといいでしょう。
延長申請の手続き方法は↓こちらで詳しく解説しているので、参考にしてください。
関連記事失業保険の受給期間延長手続き(病気・妊娠・出産などで働けないとき)
【まとめ】失業保険受給中に病気やケガになったときは
失業保険受給中の病気やケガの対応方法が分かりましたでしょうか?
14日以内の病気やケガなら認定日を変更するか、次の認定日にまとめて認定してもらうことで対応可能です。
30日以上の長期療養なら傷病手当を受給するか、失業保険の延長申請をするかの2パターンになります。
すぐにお金が必要な場合は傷病手当、失業保険が後回しになってもいいのなら延長申請、と考えておけばいいでしょう。
いずれにしても、まずはハローワークに相談に行きましょう。
失業保険については↓こちらでまとめてあるので参考にしてください。
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申請すればお金はもらえるので、ちゃんと手続きして療養に励みましょうね。