
会社員なら税金関係のことはすべて年末調整で処理されますが、無職は自分で処理しないといけません。
そこで頭を悩ますのが確定申告。「どうしたらいいのか、さっぱりわからない」という人も多いのではないでしょうか。
「面倒だからいいや」ではダメですよ。そもそも納税は国民の義務ですし、何より無職にとって確定申告は払いすぎた税金を取り戻すチャンスです。
会社を退職して年末調整を受けていないのであれば、ほとんどの人は確定申告で税金が戻ってきます。
というわけで、無職の確定申告のやり方をどこよりも分かりやすく解説しますね。
「そもそも確定申告って必要なの?」という初歩的な疑問から、実際の申告書類の作り方まで。
失業中の人やニートの人、現在働いていない人は、これを見れば誰でも簡単に確定申告できるようになります。
2026年(令和8年)中に行う確定申告に対応した内容です。
↓今回の内容は動画でも解説しています。
目次
確定申告が必要な人、不要な人
まずは、あなたが確定申告が「必要な人」か「不要な人」かを確認しましょう。
無職でも確定申告が必要なのは、主に次のようなケースです。
無職でも確定申告が必要なケース
- その年の途中まで働いていて、160万円を超える給与収入があった
- 給与所得以外の所得が95万円を超える
まず、昨年1年間ずっと無収入の人は確定申告の必要はありません。
昨年末に会社で年末調整を受けている人も、確定申告の必要はありません。
年末調整を受けていない人でも、基礎控除と給与所得控除の範囲内であれば所得税が発生しないので、確定申告は不要です(ただし住民税の申告は必要)。
注意
2025年分の基礎控除額は最大95万円、給与所得控除は65万円ですので、160万円が確定申告義務が発生するボーダーラインです。
とはいえ年末調整を受けていないなら、収入の金額にかかわらず確定申告した方がメリットはあります。
昨年に退職して年末調整を受けてない人は、確定申告することで在職中に払いすぎた税金が戻ってくるからです。
後ほど話しますが、無職の人のほとんどは還付申告を目的に確定申告することになると思います。
ポイント
無職の人のほとんどは「還付申告」を目的に確定申告する
また、1年間無収入の人でも確定申告しておいた方がメリットがあります。
所得ゼロを申告しておけば、低所得者向けの行政サービスを受けるときの証明になるからです。
確定申告をしていないと住民税が確定できず、住民税非課税世帯に向けた行政サービスから漏れる可能性が出てきます。
関連記事住民税非課税世帯のメリット:年収や条件をわかりやすく解説
行政サービスを受けるためにも、もし確定申告しないのなら住民税の申告だけは忘れずにしておきましょう。
住民税の申告は各市町村役場でできます。やり方は↓こちらをご覧ください。
関連記事無職・無収入の人は住民税の申告をしよう!市民税申告書の書き方
まとめるとこのようになります。
まとめ
確定申告が必要か必要でないか・・・
- 昨年末に年末調整を受けた → 確定申告の必要なし
- 昨年末に年末調整を受けておらず収入もなかった → 確定申告の必要なし(ただし住民税の申告はしておいた方がよい)
- 昨年末に年末調整を受けてないが収入はあった → 確定申告したら税金が戻ってくる可能性あり
なぜ確定申告で税金が戻ってくるのか?
昨年に会社を退職して年末調整を受けてない人は、確定申告するとたいてい払いすぎた税金が戻ってきます。
会社員の給与は、おおよその見込み額を元にして毎月所得税が源泉徴収されています。
退職したら年間の収入額が減るので、在職時に見込みで納めてた税金は「払いすぎ」になるのです。

この「払いすぎた税金」を取り戻すのが、還付申告です。
具体的には、退職時にもらった源泉徴収票の「源泉徴収税額」から税金が戻ってきます。

さらに「配偶者控除」「医療費控除」「住宅ローン控除」など、該当する人は控除を足していけば、戻ってくる税金が増えるわけです。
無職の人なら国民年金と国民健康保険には入ってるはずなので、「社会保険料控除」を受けるだけでも支払った保険料の分だけ税金が返ってきます。
確定申告の時期
確定申告の時期は毎年2月16日~3月15日です(土日を挟むと前後します)。
前年の収入に対しての確定申告をこの期間に行います。
退職した会社で年末調整を受けていない(前年末の時点で働いていない)のなら、この間に確定申告をしてください。

確定申告をし忘れた、期限が過ぎていたという人も、5年以内なら期限後申告ができます。
還付申告だけなら期限を過ぎていても延滞税等はかかりません。過去に払った税金が戻ってくるので、e-Taxで申告しましょう。
確定申告のやり方・手順を分かりやすく解説!

確定申告と聞くと難しそうですが、ネットでやると簡単にできてしまいます。
ネットで申告書を作って、e-Taxで送信します。
パソコンでもできますが、スマホの方がマイナンバーカードでログインしやすいので、スマホを使ってe-Tax送信するのがいいでしょう。
では、一緒に申告書を作っていきましょう。手元には退職時にもらった源泉徴収票を用意してください。
ここでは、2026年(令和8年)に行う確定申告について解説していきます。
つまり、2025年分(令和7年分)の所得に対する申告書類を作っていくわけです。
対象となるのは「昨年は働いていたけど、現在は無職」という人です。昨年末に会社で年末調整を受けていない人が対象です。
事前準備
まずは国税庁の確定申告書作成コーナーに入ってください。
申告書はこの確定申告書作成コーナーに入力して作成していきます。
確定申告書等作成コーナーの「作成開始」を押します。

作成のステップについて確認したら「次へ」をタップ。

「作成する申告書等の選択」は「所得税」を選びます。

作成する年分を選択し、提出方法等に関する質問に答えます。
提出方法等に関する質問
- マイナンバーカードをお持ちですか?→はい
- ご利用のスマートフォンはマイナンバーカードの読み取りに対応していますか?→はい

次にマイナポータル連携を利用するかの質問が出ます。
マイナポータル連携すると、医療費通知情報などの証明情報をマイナポータルから取得することができます(ただし事前準備が必要)。
今回は「利用しない」で進めていきます。

マイナポータルアプリのインストールを促す画面がでますので、まだアプリを入れてない人はインストールしてください。

利用規約に同意したら「次へ」をタップ。
e-Taxのログイン画面が出るので「ログイン」を押してください。

マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)を入力し、「本人確認する」をタップ。

マイナンバーカードを読み取ったら登録情報が出てくるので「次へ」を押します。
続いてxmlデータの読み込み画面が出ます。
ここでは医療費通知や寄付金控除など、申告に関するxml形式のデータを読み込むことができます。
何も持ってなければ、そのまま「次へ」を押します。

e-Taxへのログインが初めての方は途中で初回の手続きの画面が出ますが、指示に従って進めてください。
収入・所得の入力
事前準備が終わったら「申告する所得の選択」に移ります。
昨年度に給与所得があった人は「給与」にチェックを入れます。
退職金があった人は「退職金」にもチェックを入れてください。

「申告する所得に関する質問」に答えてください。
退職した会社で年末調整を受けておらず、退職後に働いていないのであれば、回答は次のようになります。
申告する所得に関する質問
- お持ちの源泉徴収票は1枚のみですか?→1枚のみ
- 勤務先で年末調整が済んでいますか?→済んでいない

次へ進んだら「選択した所得の入力」の画面に移ります。
ここでは「給与所得」をタップして入力していきます。

給与所得は退職時にもらった源泉徴収票を元に入力します。
「源泉徴収票の入力」で「入力する(年末調整未済)」をタップしてください。

源泉徴収票の入力方法は「カメラで読み取る」が一番簡単です。
「カメラで源泉徴収票を読み取る」ボタンを押すとカメラアプリが開くので、源泉徴収票を撮影してください。

直接入力する場合は「見本」を見ながら、該当の項目を入力していってください。
見本の画面は源泉徴収票のどこを見ればいいか一目でわかるようになっているので簡単です。
源泉徴収票の通りに入力してください。
入力ができたら内容を確認して「入力終了」を押します。

続いて退職金があるなら「退職所得」をクリックして入力していきます。
退職所得も給与所得と同じように、源泉徴収票を見ながら入力していってください。
入力した所得には「入力あり」のチェックが入ります。

すべての所得が入力できたら「次へ」で進みます。
控除の入力
次に「控除の入力」に移ります。
多くの人に該当する控除としては社会保険料控除があります。国民年金や国民健康保険料を支払っているなら、社会保険料控除が受けられます。
ここでは会社を退職した後に支払った国民年金と国民健康保険料を入力します。
すでに源泉徴収票に記載されていた社会保険料控除にプラスするので、「入力あり」と記載されている「社会保険料控除」ボタンをタップしてください。

社会保険料控除の入力の項目で「証明書等の内容を入力する」を押してください。

ここで国民年金と国民健康保険の金額を入力します。
国民年金は郵送で送られてきた「社会保険料控除証明書」に記載された額を入力します。
国民健康保険は証明書が送られてこない自治体もあるので、その場合は振り込みの控えや引き落としの通帳を元に合計額を計算します。
ほかにも保険料がある場合は、ここで入力してください。

「社会保険料の種類」をプルダウンすると「国民年金保険料」と「国民健康保険料」が選択できるので、1件ずつ選んで入力していってください。

全部入力したら保険料を確認し、「入力終了」を押します。

「控除の入力」の画面に戻りますので、他にも控除があるならここで入力してください。
控除の入力は2ページにわたって続きます。

主な控除はこんな感じです。
主な控除
- 一年間で医療費を10万円以上支払った → 医療費控除
- 生命保険料や個人年金保険料を支払った → 生命保険料控除
- ふるさと納税をした→寄付金控除
- 対象となる配偶者がいる → 配偶者控除
- 対象となる扶養親族がいる → 扶養控除
- 住宅ローンで新築や増改築を行った → 住宅借入金等特別控除
医療費控除では医薬品の購入が対象になるセルフメディケーション税制も使えます。
病院や薬の購入が多い人は、普段から領収書やレシートをこまめに取っておきましょう。
関連記事医薬品購入で税金が戻る!セルフメディケーション税制の使い方
次へ進むと計算結果が表示されるので、還付される金額を確認して次に進みます。

あとは「還付方法等の入力」の画面で、税金の還付を受ける銀行口座番号を入力します。

次へ進むと「財産債務調書、住民税等に関する事項」が出るので、該当する人のみ入力してください。

該当しない人はそのまま進んでOKです。
e-Tax送信
続いて「基本情報の入力」の画面で、氏名・住所・電話番号などを入力します。

次へ進んだらマイナンバーを入力します。

ここまで来たらあと少しです。
「送信前の申告内容確認」の画面で「申告書等を表示する」ボタンを押し、申告書のPDFファイルを表示します。
開いた確定申告書は保存するなり印刷するなりして保管してください。

順に進んでいくと「e-Tax送信」の画面になるので、「送信する」を押します。

順に進んでいき、「正常に送信が完了しました」と表示されたら送信完了です。
後日、指定した銀行口座に還付金が振り込まれますよ。お疲れ様でした~。^^
よくある質問
最後に、無職の確定申告についてよくある質問に答えます。
なお、退職後の社会保険や税金の手続きについては↓こちらでまとめてあるので、合わせて参考にしてください。
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退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば会社が源泉徴収してくれているので、本来は何も申告する必要はありません。
ただし確定申告ではすべての所得を申告しないといけないので、申告するなら退職金も申告が必要です。
なお、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、確定申告で払いすぎた税金を取り戻せるケースもあります。
退職金と税金の関係については↓こちらで詳しく解説してるので参考にしてください。
関連記事退職金に税金はほとんどかからない!非課税になる金額一覧
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無職の人なら確定申告しないことで「税金の還付が受けられない」「低所得者向けの行政サービスが受けられない」などのデメリットがあるぐらいです。
ただし、納めるべき税金があるのに故意に確定申告しないと、無申告加算税というペナルティを課せられます。
さらに税金を支払わなかったことによる延滞税もかかってきます。
納税は国民の義務ですので、忘れず確定申告するようにしましょう。



