うつ病などの精神疾患にかかると不安になるのが医療費です。
僕も適応障害で心療内科に通っていたことがあり、治療費や薬代で結構お金がかかりました。
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メンタルの病気は通院が長引くケースも多いです。僕の場合は1年以上通院していたので、トータルの医療費は結構高額になりました。
通院中は心が弱ってるので、できればお金のことを気にせず治療に専念したいですよね。
メンタルの病気にかかったときは、医療費を補助してくれるありがたい制度があります。
それが、国がうつ病などの医療費を補助してくれる自立支援医療制度です。
ここでは自立支援医療制度の対象者や申請手続きについて解説します。
自立支援医療制度とは
自立支援医療制度とは、国が医療費の自己負担額を補助してくれる公費負担医療制度です。
対象となる医療には次の3種類があります。
- 精神通院医療
- 更生医療
- 育成医療
この中の精神通院医療とは、うつ病や統合失調症などの精神疾患のことです。
うつ病など長期にわたって心療内科等に通う治療が必要な場合、自立支援医療制度を使えば医療費が安くなります。
通常、サラリーマンの医療費は3割負担ですが、自立支援医療を使えば治療費や薬代が1割負担に軽減されます。
さらに、この1割負担が重荷にならないよう、所得に応じて1ヶ月の負担額に上限も設けられています(最大の自己負担額は2万円まで)。
対象者
自立支援医療制度の対象者は以下のような方です。
自立支援医療制度の対象者
- 統合失調症
- うつ病、躁うつ病などの気分障害
- 薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症
- PTSDなどのストレス関連障害や、パニック障害などの不安障害
- 知的障害、心理的発達の障害
- アルツハイマー病型認知症、血管性認知症
- てんかん など
これらの病気での通院治療や、投薬での治療が対象になります。
ただし、処方薬として精神薬以外の薬(胃薬、かぜ薬など)が処方された場合には対象になりません。
自立支援医療の自己負担額
自立支援医療を使えば、医療費が基本的に1割負担になります。
また、「重度かつ継続」に該当する場合、自己負担額には上限がつきます。高額な治療を長期間続けなければいけない人は、自己負担額は最高でも負担額は2万円までに押さえられるんです。
「重度かつ継続」に該当するのは
- 統合失調症・躁うつ病・うつ病・てんかん・認知症等の脳機能障害・薬物関連障害(依存症等)の方
- 精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した方
- 医療保険の多数該当の方
「重度かつ継続」に該当する場合、自己負担額は以下のようになります。
市町村民税 | 所得区分 | 自己負担額上限 |
---|---|---|
市町村民税非課税世帯 | 本人収入80万円以下 | 2,500円 |
本人収入80万円超 | 5,000円 | |
市町村民税課税世帯 | 市町村民税額(所得割)3万3,000円未満 | 5,000円 |
市町村民税額(所得割)3万3,000円以上23万5,000円未満 | 10,000円 | |
市町村民税額(所得割)23万5,000円以上 | 20,000円 |
なお、この表とは別で独自の料金体系をとっている市町村もあります。
各自治体でシステムが異なるので、詳しくは市町村のホームページでご確認ください。
申請方法
自立支援医療を申請するには、まず主治医に相談しましょう。必要な書類をそろえて、各市町村の窓口に申請します。
自立支援医療制度の必要書類
- 自立支援医療費(精神通院医療)支給認定申請書
- 自立支援医療用診断書
- 健康保険証の写し
- 所得を確認する書類
- マイナンバーが確認できる書類(個人番号カードなど)
「自立支援医療費支給認定申請書」は各市町村の窓口かホームページからダウンロードしてください。
「自立支援医療用診断書」はかかりつけの医師から発行してもらいます。
「所得を確認する書類」は源泉徴収票や住民税の課税証明書、収入申告書など自治体によって異なるので、各市町村窓口で確認してください。
書類を提出して申請が認められれば、「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」が送られてきます。
心療内科やメンタルクリニックでこれらを提示すると、自己負担額が1割に軽減されます。
自立支援医療制度にデメリットはない
自立支援医療制度には特にデメリットはありません。
自立支援医療を受けるのを「障害者手帳」をもらうようなものだと思って躊躇している人がいるかもしれませんが、自立支援医療は障害者手帳とは全く別物です。
自立支援医療は、単に医療費が安くなるだけの制度です。
何か不都合が出るというものではなく、就職や生活への影響もありません。
しいてデメリットを言えば、診断書の発行代金に2,000円~5,000円ほどかかるというぐらいでしょうか。
もし対象者であれば利用を考えた方がいいでしょう。医療費は少しでも安く抑えたいですからね。
気になるなら一度、かかりつけ医師に相談してみてください。