毎月の電気代って高いですよね。
世界的なインフレやロシアのウクライナ侵攻の影響でどんどん電気代は上がってますし、「もっと電気代を安くしたい!」と切実に思うのではないでしょうか。
電気代を安くするには、電力会社を乗り換えるのがおすすめです。
「電力自由化」により消費者は電力会社を自由に選べるようになったので、大手電力会社から割安な新電力へ乗り換えれば、電気代を簡単に削減できます。
スイッチを切ったりこまごまと節電するよりも、圧倒的に節約効果が高いですよ。
とはいえ、新電力と呼ばれる会社はたくさんあって、どこを選べばいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。
選ぶ会社によっては乗り換えると電気代が高くなるケースもあるので注意が必要です。
そこで、新電力を選ぶ際に気をつけるポイントを紹介し、失敗しない電力会社の選び方を解説します。
これを見れば、数ある電力会社の中から自分にピッタリのものが分かります。
電力会社を乗り換えて電気代を安くしたい人は、ぜひ参考にしてください!
↓今回の内容は動画でも解説しています。
目次
電力会社を乗り換えるとどうなる?
2016年に電力が自由化され、消費者は電力会社を自由に選べるようになりました。
これまでは東京電力や関西電力といった大手電力会社しか選べなかったのが、約700社ある新電力から好きなものを選べるようなったんです。
新電力には通信会社やガス会社などさまざまな業種が参入しています。
「名前を聞いたことがあるな」という人も多いのではないでしょうか。
主な新電力
ENEOSでんき、HISでんき、ソフトバンクでんき、楽天でんき、ONEでんき、Looopでんき など
でも、新電力はまだまだ浸透しているとは言えません。
電気代が安くなると知ってても、「大手以外に任せるのは心配…」という人もいるでしょう。
しかし、新電力だからといって電気の品質が劣ることはありません。
電気事業は「発電」「送配電」「小売」の3つに分かれていて、自由化されたのは「小売」の部分だけです。
電気を作る「発電」と、電気を届ける「送配電」は今まで通り大手電力会社が担っています。
新電力は販売の窓口を担うだけなので、電気を届ける仕組みは今までと全く変わらないんです。
つまり、新電力に乗り変えたら単純に販売価格が下がるだけです。停電が起きたりすることは一切ありません。
サービス内容は変わらず値段が安くなるという、消費者にメリットしかないのが電力自由化なんです。
電力会社を選ぶときのポイント
電力会社を選ぶときのポイントは、何といっても料金です。
大手から新電力に乗り換えると、たいてい電気代が安くなります。
しかし、人によっては乗り換えると逆に電気代が高くなるケースもあることを知っておきましょう。
東京電力や関西電力の従量電灯プランは、電気使用量が多いほど単価が上がる仕組みになっています。
たとえば東京電力では第一段階料金(最初の120kWhまで)は1kWhあたり19.88円ですが、第三段階料金(300kWh超)では30.57円まで上がります。
東京電力(従量電灯B) | 関西電力(従量電灯A) | |
---|---|---|
~120kWh(第一段階料金) | 19.88円 | 20.31円(15kWh超~) |
120kWh超~300kWh(第二段階料金) | 26.48円 | 25.71円 |
300kWh超~(第三段階料金) | 30.57円 | 28.70円 |
対して新電力のプランは第三段階料金(300kWh超)が安く設定されていたり、全段階で一律料金になっています。
そして第三段階が安い代わりに、第一段階(最初の120kWhまで)が大手電力会社より高いケースが多いです。
つまり、電気をたくさん使う家ほど電力会社を乗り換えるメリットが大きく、電気をあまり使わない家はメリットが小さいのです。
たとえば一人暮らしだったり電気をあまり使わない人は、さほど電気代に差は出ないかもしれません。
逆に、家族がたくさんいたり電気をたくさん使う家は、電力会社の乗り換えメリットは大きいです。
目安としては、月120kWhを超えると乗り換えメリットが大きくなると考えておくといいでしょう。
毎月どれだけ電気を使ってるかを確認し、自分に合った電力会社を選びましょう。
どの電力会社が安くなるかは、比較サイトのエネチェンジを使って調べるのがおすすめです。
住んでる場所と電気代を入力すれば、最安値のプランが見つかります。
ますば電気代シミュレーションで、いくら安くなるかを確認しましょう。
こんな電力会社はNG
新電力には意外な落とし穴があるプランもあります。
目先の宣伝文句につられて申し込むと後悔してしまいますよ。
失敗しないためには「こんな電力会社はNG」というのを知っておきましょう。
電力会社を選ぶ際に気をつけた方がいいポイントを紹介します。
解約違約金がある
新電力の中には解約違約金のある会社があります。
たとえばソフトバンクでんき(おうちでんき)は解約事務手数料に550円(税込)がかかります。
ENEOSでんきも「にねん とく²割」を申し込むと解約事務手数料に1100円(税込)がかかります。
電力会社を変更したいケースは、意外と出てくるものです。
特に2022年以降は燃料価格の高騰により、サービスを維持できない電力会社も出てきています。
そんなときスムーズに乗り換えするためにも、解約金のない電力会社を選んだ方がいいです。
電気とガスのセット契約で縛られる
大手電力会社は、電気とガスのセット契約でお得感を出しているケースがあります。
たとえば関西電力では、電気とガスをセットにした「なっトクパック」を大々的に宣伝しています。
しかし、大手電力会社の電気とガスとのセット割は、割引率が良くありません。
下のようになっトクパックの電気料金(なっトクでんき)は、従来の料金と比べると微々たる割引額です。
関西電力(従量電灯A) | 関西電力(なっトクでんき) | |
---|---|---|
~15kWh(最低料金) | 341.01円 | 285.00円 |
15kWh超~120kWh(第一段階料金) | 20.31円 | 20.31円 |
120kWh超~300kWh(第二段階料金) | 25.71円 | 24.10円 |
300kWh超~(第三段階料金) | 28.70円 | 27.80円 |
大手電力会社のガスとのセット割は「顧客を囲い込むためのもの」であって、決して安いプランではありません。
大手で電気とガスをセットにするよりは、電気だけを新電力に変えて、ガスは別で見直した方が安くなります。
電気とガスの乗り換え方
【×悪い例】
- 大手電力+大手ガス → 大手の電気とガスセットプラン
【○良い例】
- 大手電力 → 新電力
- 大手ガス → 新電力のガス または 大手電力のガス
なんとなくのお得感につられないで、本当に安くなる電力会社を選びましょう。
ガスの見直しについては↓こちらの記事で解説してるので、参考にしてください。
関連記事ガス会社を乗り換えてガス代を安くする!おすすめガス会社の選び方
知名度がある(宣伝費をかけている)
電力会社を選ぶとき、つい身近な知名度の高い企業を選ぶ人もいるでしょう。
しかし、名前だけで電力会社を選ぶと失敗してしまいます。
知名度のある企業はテレビCMなど宣伝費をかけているので、肝心の電気料金は安くないところが多いんです。
「小さな会社はつぶれないか心配」と不安に思うかもしれませんが、そもそも契約した会社がつぶれても何の問題もありません。
つぶれたら電力会社を変えればいいだけですから。
だから電力会社は会社の大きさではなく、単純に料金が高いか安いかで決めてかまわないんです。
知名度で電力会社を選ぶのは避け、名前を知らなくても本当に良い会社を選びましょう。
おすすめの新電力
ここまで読んでいただければ、「新電力を選ぶポイント」と「選んではいけない電力会社」が分かったと思います。
それでは、数ある電力会社の中からおすすめを厳選して紹介します。
どれも割引率が高く、違約金などの余計な縛りがありません。
この中から選べばまず間違いないので、各社のHPで料金を確かめ、自分に合ったところに乗り換えるといいでしょう。
上手に使えば安くなる「Looopでんき」
対応エリア | 北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力エリア |
---|---|
基本料金 | 0円 |
電力量料金 | 30分ごとの変動料金制 |
解約金 | 0円 |
ガスのセット割 | あり |
Looopでんきは、完全な市場連動型プランの電力会社です。
そのため使い方によっては、大手電力会社より高くなることがあります。
しかし30分ごとに料金単価が変動するので、電気使用のピークをうまくずらせば大幅な節約ができます。
基本料金・燃料費調整額がずっと0円なのもいいところ。ガスとのセット割もあります。
自分で電気使用時間をコントロールできる人は得になる電力会社です。
持続可能を目指す「サステナブルでんき」
対応エリア | 北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力エリア |
---|---|
基本料金 | 0円 |
電力量料金 | 27.9円(一律) ※東京電力エリア |
解約金 | 0円 |
ガスのセット割 | なし |
サステナブルでんきは持続可能社会を目指すSDGsにも配慮している電力会社です。
基本料金が0円で、電力量料金が一律27.9円(東京電力エリア)ととてもシンプル。
従量部分が一律料金のため、電気を多く使う家庭ほど節約幅が増します。
解約時に違約金や手数料がかからないので、万が一大手電力会社に戻すときにも安心。
対応エリアが広く、非常に使い勝手のいい電力会社です。
新電力への切り替え方
新電力への切り替え方は簡単です。
乗り換える電力会社が決まったら、WEBから申し込みをするだけです。
申し込みの際には、現在の契約内容が分かるように検針票(電気ご使用量のお知らせ)を用意しておきましょう。
申し込んだら、あとはすべて電力会社がやってくれます。
前の電力会社の解約手続きも必要ありません。2週間ほどで電気の供給が開始されます。
こんなふうに切り替え完了のメールが届いて完了です。めちゃくちゃ簡単でしょ?
自宅にスマートメーターが設置されていない場合は、スマートメーターの設置工事が必要な場合がありますが、それ以外は自分で何もする必要はありません。
賃貸住宅も特別な契約がない限りは、自由に電力会社を乗り換えられます。
難しいことは何もないので、気軽に乗り換えるといいでしょう。もし失敗しても再び乗り換えれば済むことですし。
たったこれだけの手続きで、電気代が数千円安くなる可能性がありますからね。
「電気代が高いなぁ」と思ったら、すぐに乗り換えましょう。
まずは電気代がどれだけ安くなるか、各電力会社のHPでシミュレーションしてみるといいでしょう。