僕は職場の人間関係が原因で適応障害になり、勤めていた会社を退職しました。
この「メンタルヘルスシリーズ」(全5回)では実際にメンタル不調の当事者になった僕の体験を元に、うつ病や適応障害になった人の心の内側を本音で書いていきます。
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適応障害で退職した当事者だから語れる本音[メンタルヘルスシリーズ]
僕は職場の人間関係が原因で適応障害になり、勤めていた会社を退職しました。 執拗に人格否定してくるお局たち、まったく融通の利かない上司、自分の適性に合ってない仕事……。 会社勤めしていたときは、毎日が嫌 ...
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【第4回】では僕が実際に飲んでいた抗うつ薬の体験談を書きたいと思います。
心療内科やメンタルクリニックで治療を受けると、何かしらの薬を処方されるでしょう。
精神薬や抗うつ薬と聞くと「本当に効くのか?」「副作用はないのか?」「依存症にはならないか?」と不安になりますよね。
僕も一年以上抗うつ薬を飲んでいましたが、初めて飲むときはすごく不安でした。
薬の効果はあると思います。ただ、適応障害が完治した今となっては、僕は薬について少し否定的に捉えています。
症状を和らげる効果はあるけど、「あくまで対症療法だな」と感じるからです。
僕は適応障害という軽い症状だったので、重度のうつ病患者とはまた違うかもしれません。
しかし、抗うつ薬は飲み続けていれば治るものではないと思います。
僕が一年間薬を飲み続けた結果、症状は改善したのか?副作用はなかったのか?などについてお話していきます。
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メンタルヘルスシリーズの内容は、あくまで個人の体験に基づくものです。症状や治療法について専門的な見解を述べるものではありません。 専門家の意見よりも個人の実体験や本音の言葉に救われる人がいるかもしれない、という思いで書いています。ですので、あくまで個人的な意見として参考にしてください。
抗うつ薬の効果はあったのか?
抗うつ薬とは「脳内の神経伝達系」などに作用する治療薬のことです。
三環系・四環系・SSRI・SNRI・NaSSAなどに種類が分かれ、僕の場合は主にSSRIが処方されていました。
最初に処方されたのはドグマチール(スルピリド)でした。
効果が出るまで1~2週間かかると言われていたのですが、僕の場合3日ほどで効果がありました。
それまで感じていた出社前の倦怠感や不安感が、スーッと楽になったのを覚えています。
会社では不安と緊張から単純作業すらまともにできない状態でしたが、薬のおかげでいくぶんちゃんと仕事ができるようになりました。
「まともに働くことすらできない」という状態よりは少しマシかな、という感じです。
なので、「辛くて自分ではどうすることもできない」という人にとって、抗うつ薬は一定の効果があると思います。
ただ僕の場合、1ヶ月もすればすぐに効果は薄れてきました。
効果が薄れてくると再び出社前の倦怠感や不安感が心を覆うようになったんです。
心療内科で出す薬はコロコロ変わる
薬が効かなくなってきたことを訴えると、心療内科の主治医は薬の種類や分量を変えてくれました。
今の薬を1錠増やしたり、違う薬を加えたりとコロコロ変えます。
僕の場合も、ドグマチール(スルピリド)→ワイパックス(ロラゼパム)→パキシル(パロキセチン)→アモキサンカプセル(アモキサピン)と次々に薬が変わっていきました。
一応、担当医師は僕に合った薬を探してくれていたようです。
ただですね……
何種類も飲んでると、効いてるのか効いてないのか分からなくなるんですよね。(>_<)
正直、変化といっても「なんとなく楽になったかな」というぐらいのレベルです。
抗うつ薬って、プラシーボ効果の影響が大きいんじゃないかと思うんですよ。
プラシーボ効果とは、偽薬でも「本物だ」と信じると治ってしまう現象です。
プラシーボ効果とは
投薬の形式に伴う心理効果(暗示作用)のことで、薬理学的にまったく不活性な薬物(プラシーボ)を薬と思わせて患者に与え、有効な作用が現れた場合をプラシーボ効果があったという。
特に僕の場合は重症ではないので、薬が脳に効いているかどうかも定かではありません。
適応障害や軽度のうつ状態の場合、そもそも薬で治すほどの脳の異常はないのかもしれませんしね。
そんなわけでコロコロ種類を変えながら、僕は1年以上薬を飲み続けました。
副作用で10キロ太った!?
抗うつ薬で心配なのは副作用ですよね。
主な副作用として、口の渇き、眠気、体重増加などが言われています。
僕の場合、眠くなることは確かにありました。
仕事中、どうしようもなく睡魔が襲ってくることがたびたびありました。
ただ、元々仕事が嫌で仕方がない状態だったため、単に集中できていなかっただけかもしれません。
飲み初めに吐き気があるかもしれないとも言われてましたが、そんな副作用も出ませんでした。
ネットでは「パキシルを飲むと太る」という噂も目にします。
グレリンという物質の分泌が促進されて、食欲が増進したり体脂肪の利用を抑制するそうです。
僕もパキシルを飲み始めてから10キロ太りました。
ただ、これはストレスによる過食と運動不足が原因だったように思います。
ストレスを受けるようになってからやたらと甘いものを食べてたし、年齢的に代謝も落ちてましたしね。
だから、「薬を飲んだから太る」というわけではない、と個人的には感じています。
太るのは生活習慣による部分が大きいのではないでしょうか。
抗うつ薬はあまくで対症療法
僕は一年以上抗うつ薬を飲み続けましたが、長期的な効果があったかは疑問です。
確かに「まともに仕事ができない」ぐらい心が弱ってしまったとき、不安や緊張を和らげる効果はあったと思います。
ただ、「飲み続ければ治る」というものではないと思います。
よくテレビなどで「うつの薬は飲み忘れてはいけない」「治るまで飲み続けなければいけない」と言われるけど、これは重度のうつ病の場合でしょう。
適応障害や軽度のうつ状態の場合、薬を飲むことに依存してしまってるケースがあるように思います。
実際、僕の担当医も「飲みたくなきゃ飲まなくてもいい。薬を飲み忘れてしまうぐらいがベスト」って言ってましたから。
抗うつ薬はあくまで対症療法です。
一時的に症状を緩和しても、根本解決には至りません。
症状を訴え続ける限り、医者は必ず薬を出します。
もちろん重度の症状なら薬は必要ですが、軽度なら環境を変えたり考え方を変えたりする方が有効な気がします。
とはいえ、薬に頼るしかないぐらい心が弱っているというのも十分分かります。
僕も適応障害で苦しんでいる間は、毎日がどうしようもないぐらいしんどかったですから。
なので、実際に服用するときは医師の指示に従って、用法を守って飲むようにしてくださいね。
全5回でお話してきたメンタルヘルスシリーズも次が最終回です。
次回【第5回】のストレス耐性が弱い人の生き方 メンタルが弱い人の唯一の解決策ではまとめとして、僕なりのメンタルヘルス解決策についてお話したいと思います。
当事者だから語れる「メンタルヘルスシリーズ」
- 【第1回】心療内科ってどんなとこ?受診タイミング・治療内容・受診した感想
- 【第2回】経験者が語るうつ病とうつ状態の違い
- 【第3回】僕が職場で体験した適応障害の症状と心の中のイメージ
- 【第4回】抗うつ薬って効かないのか?体験談を語る
- 【第5回】ストレス耐性が弱い人の生き方 メンタルが弱い人の唯一の解決策
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