この「メンタルヘルスシリーズ」(全5回)では実際にメンタル不調の当事者になった僕の体験を元に、うつ病や適応障害になった人の心の内側を本音で書いていきます。
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適応障害で退職した当事者だから語れる本音[メンタルヘルスシリーズ]
僕は職場の人間関係が原因で適応障害になり、勤めていた会社を退職しました。 執拗に人格否定してくるお局たち、まったく融通の利かない上司、自分の適性に合ってない仕事……。 会社勤めしていたときは、毎日が嫌 ...
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【第2回】では、うつ病かどうかを判断する基準についてのお話です。
当時僕は会社の人間関係が原因でメンタルを患い、「適応障害によるうつ状態」と診断されました。
心療内科でどんな診断を受けたは、前回の【第1回】でお話しした通りです。
関連記事心療内科ってどんなとこ?受診タイミング・治療内容・受診した感想
心療内科を受診するときは「もしかしてうつ病になったのかな……?」と不安でしたが、担当医からは「うつ病ではないよ」ときっぱり否定されました。
後から勉強して分かったのですが、うつ病とうつ状態は違うんです。
自分がうつ病かもしれないと不安に思っている人に向けて、うつ病とうつ状態の違いについてお話します。
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メンタルヘルスシリーズの内容は、あくまで個人の体験に基づくものです。症状や治療法について専門的な見解を述べるものではありません。 専門家の意見よりも個人の実体験や本音の言葉に救われる人がいるかもしれない、という思いで書いています。ですので、あくまで個人的な意見として参考にしてください。
「憂鬱」と「うつ状態」と「うつ病」は違う
日本の気分障害(躁うつ病を含む)の患者数は平成14年に71.1万人だったのが、平成29年には127.6万人に激増しています。
これを見ると誰もが簡単にうつ病になりそうな気がしますよね。
つらいことがあって気分が落ち込み、「うつ病なのでは?」と心配になる人も多いでしょう。
ただ、多くの人が混同しているけど、「憂鬱」と「うつ状態」と「うつ病」は違います。
健康な人だって嫌なことがあれば憂鬱になります。この「憂鬱」は「うつ」ではありません。
また、「うつ状態」と診断されても「うつ病」になったわけではありません。
有名なたとえですが、心の状態をおもりとバネに例えると分かりやすいです。
「憂鬱」と「うつ状態」と「うつ病」の違い
- つらいことがあってもバネがすぐ元通りになるのが「憂鬱」
- バネが緩んでしまって、伸び縮みはするけど元に戻らないのが「うつ状態」
- バネが伸びきってしまって、伸び縮みもしなくなったのが「うつ病」
図で表すとこんな感じですね。
僕の場合は「うつ状態」でした。
休みの日に遊びに行くことは可能。でも、遊んでいてもふと仕事のことが頭をかすめると憂鬱な気分になる。家に帰るとさらに憂鬱が増し、何もできずに塞ぎ込んでしまうという感じ。
たぶん健康な人だったら遊んでスッキリ気分転換できるでしょう。逆にうつ病の人なら遊びに行くことはおろか、家から出ることもできないでしょう。
その間のどちらとも取れない状態が「うつ状態」です。「抑うつ状態」や「抑うつ気分」とも言います。
うつ病を経験した丸岡いずみさんの体験談を読むと、「『うつ病』になるともっとひどい状態になるんだな」ということが分かります。
僕は適応障害で1年以上通院しましたが、うつ病に発展することはありませんでした。
最近は「うつ病は誰でもなる病気」という認識が独り歩きしています。
でも、適応障害経験者としては「そう簡単にうつ病にはならないんじゃないかな」と思ったりもしてます。
もし不安なら、うつ病のセルフチェックなどもやってみてください。
病名が欲しいという本音
元気になった今だから言えますが、適応障害で通院している間は「治したい」という気持ちと「病気になりたい」という2つの気持ちがありました。
「憂鬱な気分を取り去りたい」と願う一方で、「病気のままでいたい」という思いがあったんです。
もちろん、これは僕個人の感想です。真剣に「病気を治したい」と考えている人もいるので、誤解のないようにしてください。
でも改めて振り返ってみると、「もう治ってるから大丈夫だよ」と先生から言われるのが怖かったというのは事実です。
だって病気じゃなくなったら、全て自分の性格上の問題になってしまいますから。
たぶん病気という口実が欲しかったんでしょうね。「自分ができないのは病気のせいだ」と思い込みたかったんだと思います。
「甘い!」と言われるかもしれませんが、そうでもしなくちゃ生きていけないほど心が弱ってたんです。だから過去の自分を否定するつもりはありません。
ただ、個人的な意見ですが、「病気のせいだ」と自分以外のせいにできる人は、あまりうつ病にはかかりにくいんじゃないかなと思います。
そもそもうつ病にかかるのは、どちらかというと「自分のせい」にする人です。何でも自分に責任があると思いこみ、必要以上に頑張ってしまう人。
僕はどちらかというと結構いいかげんで、他人のせいにすることもよくあります。頑張り過ぎず、適度に手を抜くタイプです。(^^;)
だから1年以上通院しても「うつ病」と診断されることはありませんでした。根本的に「うつ病」にはなりにくい性格なのかもしれませんね(汗)。
個人的な感想ですが、「いっそのことうつ病になって休職したい」と願ってる人ほどうつ病にはなりにくいのではないでしょうか。
ここにあえて診断名を出すと「新型うつ」となるのでしょうけど、これを病気というかは意見の分かれるところです。
「新型うつ」とは
新型うつ病、あるいは、現代型うつ病とは、従前からの典型的なうつ病とは異なる特徴を持つものの総称であり、正式な用語でもないが意味が独り歩きし、専門家の間でも一致した見解が得られていない。従来のメランコリー親和型の性格標識を持たない患者を指すことが多い。
ウィキペディアより
じゃあ「うつ状態」なら大丈夫かというとそんなことはなくて、「うつ状態」でも日常生活に支障をきたしてきます。
記憶力や判断力が鈍って仕事のミスも増えますし、「うつ状態」は他人が思ってる以上にしんどいものです。
僕が患った適応障害も、健康な人では想像もつかないほどしんどいものでした。
うつ状態や適応障害になったときの心の中については、次回メンタルヘルスシリーズ【第3回】の僕が職場で体験した適応障害の症状と心の中のイメージでお話します。
当事者だから語れる「メンタルヘルスシリーズ」
- 【第1回】心療内科ってどんなとこ?受診タイミング・治療内容・受診した感想
- 【第2回】経験者が語るうつ病とうつ状態の違い
- 【第3回】僕が職場で体験した適応障害の症状と心の中のイメージ
- 【第4回】抗うつ薬って効かないのか?体験談を語る
- 【第5回】ストレス耐性が弱い人の生き方 メンタルが弱い人の唯一の解決策
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