僕がサラリーマン時代に勤めていた会社は、薄給ブラックで有名な企業でした。
とにかく給料が安く、業績が悪化してからは年収は300万を下回ってました。
手取りじゃないですよ、額面です。手取りにすると230万ぐらいじゃないでしょうか。
しかも15年勤めた正社員なのにこれです。僕が特別仕事ができなかったわけではなく、支店長でも年収400万ぐらいでしたからね。
30代正社員で年収300万以下。そりゃもう立派な低所得者層ですよ。
ただ、こうした環境で15年も暮らしてると、その生活が当たり前になってくるんですよね。
今ではアフィリエイトで独立してそれなりに収入が増えた僕ですが、生活水準は年収300万のころとそんなに変わっていません。
お金のかかる趣味はないし、車や時計など高価な買い物にも興味ありません。
お金がなくても生きていける術(すべ)を身に着けています。
こうやってお金をかけなくても満足に暮らしていけるのは、低所得だからこそ得られたメリットじゃないかと思うんです。
たぶん最初から高収入な人だと、こういう生きる術(すべ)は身につけられないでしょう。
低収入でもできる豊かな暮らしがあります。
高収入な人には分からない、低収入だったからこそ得られたメリットについてお話します。
一般的な低所得者のイメージ
低所得者といっても、僕は世間のイメージとはちょっと離れてるかもしれません。
低所得者全体のデータをとってみると、一般的には次のような特徴の人が多いらしいです。
言ってみれば「カイジ」や「ウシジマくん」に出てくるキャラクターのイメージですね。
低所得者のイメージ
- ギャンブル好き
- 喫煙者
- 肥満
- 食生活が乱れている
- 運動をしない
- 計画的にお金を使えない
ただ、僕の場合どれも当てはまってないんですよ。
ギャンブルはしないし、タバコも吸わない。すぐに口内炎ができるから、食事は3食きちんと食べないとイヤ。
一時の感情でお金を使うことはなく、逆に使わなさすぎと言っていいぐらい。迷いに迷って結局買わないことも多いです。
一般的な低所得者のイメージには当てはまらない、草食系低所得者とでも言うんでしょうか(笑)。
「さとり世代」と呼ばれる若者に近いかもしれませんね。
僕からすると、ギャンブルもタバコももったいないからする気が起きないだけです。
将来への不安が人一倍強いから、必要ないものにお金を使う気にはなれない。余計な浪費をするよりは貯金に回してしまいます。
月22万の給料で毎月10万円貯金してたこともあります。
「そんなストイックな生活はできない!」と思われるかもしれませんが、これでも回そうと思えば回せてしまうんです。
おかけで低所得者層だったにもかかわらず、総資産だけは人より多いという、低燃費人間に仕上がりました。
低収入生活で得たメリット
僕が低収入で得られなかったもの、我慢してきたことは多いと思います。
しかし、そこで得たメリットも多いです。
僕が低収入生活で得たメリットを紹介します。
欲がない
僕って基本的に欲望が低いんですね。お金が入っても、そんなに使いたいものが見当たらない。
高級な車、時計、服といった「お金持ちが好みそうなもの」に全く興味が持てないんです。
だって高級車よりコンパクトカーの方が運転しやすいに決まってるし、高級時計はゼンマイ式だから巻くの面倒だし、服はユニクロで似たようなものが買えるからそれでいいし。わざわざ高級品を身に着けて見栄を張りたいとも思いません。
そもそも買い物自体が面倒くさいから、「買い物してストレス発散!」って感覚がよく分からないんですよ。
選ぶ労力がしんどいから、あまり買い物もしたくない。必要ないものが増えるのって逆にストレスだと思うんですけど、どうなんでしょうか?
もちろん収入が増えて選択肢が増えたことはありがたいんですけどね。
といっても、これまで乳飲料を買ってたのが牛乳を買えるようになったり、吉野家で卵を躊躇なくトッピングできるようになったぐらいです。
年収300万のときは毎日のランチも300円以内に抑えてましたからね。とにかく欲望の基準値が低いのです。
お金のかかる趣味がない
低収入でずっと過ごしてきたから、僕にはお金のかかる趣味がありません。
車やバイクも興味がないし、ゴルフもそんなにしたいとは思わない。飲みに行くのもせいぜい月1~2回ぐらいです。
一人カラオケには行きますが、それもジャンカラに行けば1回300円ぐらいで済みます。
家で本を読んだりゲームして過ごすのが好きだし、その方がずっと有意義なんですよね。
しかも僕は何をするにもスピードが遅いから、マンガ1冊読むのにも2時間、ゲーム1本クリアするのに半年ぐらいかかります。恐ろしくコスパが高い(笑)。
それに、今は仕事自体も趣味みたいなものですしね。ブログを書いて売上を上げるゲームに興じてるようなものなのです。
自活力がつく
低収入で生活していると、その範囲内でやりくりするため自活力が身に着きます。
自活力の中では自炊ができるようになったというのが大きいです。
毎日自炊をやってると調理時間の目安も分かってきますし、野菜の相場も分かってきます。
すると「自分で作った方が安い料理」と「お惣菜で買った方が安い料理」の区別がつくんですね。
たとえばキュウリの酢の物なんて30円でキュウリを買えば3分でできますし、逆に天ぷらなんかは自分で作るよりお惣菜を買ってしまった方がラクです。
つまり、なんでもかんでも安く済まそうとしているわけではありません。時間を取る方が大事なときもあります。
時間を取るか、お金を取るかの判断が瞬時にできるようになったことは、一番大きな自活力だと思います。
金融知識が身につく
低年収だった僕は、「将来生きていくためにお金を増やさなきゃ」という思いが強かったので、あらゆる金融知識を学ぶようになりました。
低金利の今、お金を増やすにはこの金融リテラシーが欠かせません。
しかし、日本人はこの「お金の知識」を身に着けていない人が非常に多いです。
これって実際に身をもって体感しないと分からないんですよね。
僕も最初はまったく知識がなかったので、株式投資を始めたときに何度も大きな損を経験しました。
ライブドアショックから始まり、リーマンショックでは100万近くスッたこともあります。
ただ、投資歴が10年を超えてからは毎年利益が出せるようになりました。
リスクの取り方や、お金の本質的な意味が分かるようになったんです。
これについて話すと何時間もかかってしまうので割愛しますが、要は「貯金をしているだけではダメ」だし、FXや仮想通貨などの「投機商品に偏ってもダメ」ということ。
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10年の景気サイクルを体感したおかげで、していいことと悪いことの区別はある程度つくようになりました。
保険やローンにしても、ただ「みんながやってるから」だけで決めてはいけないんだな、と。
実は僕って、こういうお金の知識にはとんと疎かったんですよ。のほほんと過ごしてた20代までは。
ところが30代になって自分の将来に不安を感じるようになり、こういう金融知識を漁るようになりました。
知識がついてくると、多くの人が非常に無駄なことをやってるのが分かってくるんですよね。
低収入で会社の給料だけではやっていけなかったからこそ、こういった金融リテラシーが身に着いたんだと思います。
メリハリと長期的思考が大事
こうやって書くとなんだかケチケチした面白みのない人間に見えますが、こんな僕でもお金を使うべき部分には躊躇なく使っています。
好きな海外旅行にはこれまで10ヶ国以上行ってますし(現地でホテルを探したり安くあげる努力はしてますが)、WEBの制作を学ぶときは60万ほどかけてスクールに通いました。ここで得たWEBの知識は、今の仕事にもつながっています。
使うところと使わないところのメリハリがはっきりしてるんですね。
モノがあふれかえってる世の中、本当に必要なものなんてごくわずかだと思うんです。
惰性で払う手数料、同調圧力で出席させられる飲み会、すぐに廃れる流行商品。ほんと世の中いらないものばっかりです。
必要なものは買うけど、不要なものは買いたくないんです。
低収入だったからこそ、その線引きがはっきりするようになりました。
低所得だったにもかかわらず、僕が「カイジ」や「ウシジマくん」に出てくるような低所得者層にならなかったのは、僕に長期的な思考があったからだと思います。
長期的な思考といってもたいそうなものではありませんよ。ただ将来が不安で不安でたまらなかっただけなんですね。
人一倍不安の強い性格だから、短期的な快楽に逃げ込まなかった。
おそらく僕の臆病さがなさせる業だったんでしょう(笑)。
また、僕は会社の給料以外で「どうやってお金を稼ぐか」を常に考えていました。
ヤフオクやせどりのようなことをやってた時期もあったし、ポイントサイトに登録しまくってたこともありました。
たからこそ、アフィリエイトに巡り合うことができました。
もし僕にそこそこの年収があったら、「自分で稼ごう」なんて思わなかったでしょう。
そういう意味では低所得だったメリットは非常に大きいと思います。
低所得は失うものも大きいけど、得るものもあります。そのためにはメリハリと長期的思考を持っておくこと。
人生を長い目で見ると低所得生活にもメリットはあるので、今しか身につけられないものを身につけておきましょう。
それが5年後、10年後に役立つときがきっとやって来ますよ。