僕は職場の人間関係が原因で適応障害になり、勤めていた会社を退職しました。
この「メンタルヘルスシリーズ」(全5回)では実際にメンタル不調の当事者になった僕の体験を元に、うつ病や適応障害になった人の心の内側を本音で書いていきます。
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適応障害で退職した当事者だから語れる本音[メンタルヘルスシリーズ]
僕は職場の人間関係が原因で適応障害になり、勤めていた会社を退職しました。 執拗に人格否定してくるお局たち、まったく融通の利かない上司、自分の適性に合ってない仕事……。 会社勤めしていたときは、毎日が嫌 ...
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最終回の【第5回】はストレスに対する僕なりの解決策、メンタルが弱い人の生き方について書きたいと思います。
会社を辞めて2年以上が経ち、僕の適応障害はすっかり完治しました。
しかしそれはストレスのある環境から離れたから治っただけで、今後同じようなことがあるとまたメンタルを病んでしまうかもしれません。
メンタルの症状はざっくり言うとストレスが原因です。うつ病も適応障害も、根本の原因はストレスです。
まぁ、確かに僕はストレス耐性が弱い方だとは思います。人とのコミュニケーションも下手ですしね。
でも、ストレス耐性が弱い人やメンタルが弱い人は、現代社会では生きられないのでしょうか。
ストレス耐性が弱い人やメンタルが弱い人でもできる上手な生き方をお話します。
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メンタルヘルスシリーズの内容は、あくまで個人の体験に基づくものです。症状や治療法について専門的な見解を述べるものではありません。 専門家の意見よりも個人の実体験や本音の言葉に救われる人がいるかもしれない、という思いで書いています。ですので、あくまで個人的な意見として参考にしてください。
ストレスを回避する3つの解決策
僕がなった適応障害は、生活環境の変化によるストレスが原因でした。
このように耐えられないストレスでメンタルが病んでしまったとき、解決するには3つの方法があります。
メンタルの病の解決方法3つ
- 原因となるストレスの除去
- 薬物療法
- 認知療法でストレスの受け止め方を変える
1の「原因となるストレスの除去」は、現実には難しい場合が多いでしょう。
仕事が原因だからといってすぐに会社を辞めるわけにはいかないし、配偶者が原因でもすぐに離婚できるわけではありません。
ストレスを引き起こす因子のことを「ストレッサー」と言います。ストレッサーからスパッと離れられたらいいのですが、現実にはストレッサーから逃れられないケースが多いでしょう。
2の「薬物療法」は抗うつ薬って効かないのか?体験者が語るでも書いた通り、対症療法的な意味合いが強いと思います。
もちろん重度のうつ病患者には薬物療法が必要でしょう。
しかし僕のような適応障害や軽度のうつ状態の人には、どうしても「その場しのぎ」的な対策に過ぎません。
そうなると、3の「認知療法でストレスの受け止め方を変える」というのが有効な対策になってきます。
「ストレスの受け止め方を変える」というと、「ストレス耐性を高めなきゃいけない」と考えがちですが、何をストレスと感じるかは人によって違います。
誰しも苦手なストレスがあって、それに対しては必ずしも強くはなれません。
だから、一概に「ストレス耐性を高めよう」「メンタルを強くしよう」と考えるだけでは解決しないと僕は思います。
それよりも、自分がストレスと感じているものに対する向き合い方を変えるのが一番の解決策だと思うんです。
僕が受けていた治療の正体はこうだった
実は先日、僕が通っていた心療内科の先生に偶然会う機会がありました(1年半ぶりぐらいの再開でした)。
そのとき先生は、当時僕に施していた治療の正体を話してくれたんです。
当時の僕は、職場のお局衆や神経質な部署メンバーによる人格攻撃に苦しんでいました。
毎日の人格否定はまさにモラハラでした。
先生によると、これはいわば台風の中にいる状態。台風の中で飛ばされそうになっている凧のような状態だったそうです。
ビュウビュウ吹き荒れる嵐の中、必死で飛ばされないようにしているのが、当時の僕だったと先生は言いました。
会社にしろ、家族関係にしろ、多くのメンタルで悩んでいる人はこの「台風の中にいる凧」の状態なんだそうです。
このような状態から逃れる解決策は3つ。それは
- 台風に立ち向かう
- 台風から逃げる
- 台風をいなす
この3つです。
図で書くとこんな感じですね。
1の「立ち向かう」はお局衆や部署メンバーに正面から戦うパターンですが、これはムリ。
当時の僕では戦う覇気どころか、その日を過ごすだけで精一杯でしたし。
中にはこの選択肢を選ぶ人もいるそうですが、先生によるとそういう人は稀だそうです。
2の「逃げる」は会社を辞めること。最終的に僕はこれを選んだのですが、すぐに辞められたわけではありませんでした。
入社してすぐに辞めてしまうと次の就職先も見つからなくなってしまうし、結局2年間はこの会社という台風の中で我慢しました。
おそらくほとんどの人は、この「逃げたいけど逃げられない」台風につかまっているのではないでしょうか。
なら、取れる手段は一つ。3の「いなす」です。
「いなす」ことが、メンタルの問題を解決する現実的な方法だと思います。
「いなす」ことが現実的な解決策
「いなす」とは、強風の中でも風に飛ばされることなく、ゆらゆらとたゆたうこと。帆を柔軟に、風に身を任せることです。
つまり、人に何を言われても「別に気にすることでもないし~」と受け流すんです。
例えるなら、ちびまる子ちゃんのお父さんのような感じ。お母さんやまるちゃんに「お酒ばかり飲んで!」と怒られても「へへ~ん、そんなこと言われても、俺は酒を飲むぜ~」とヘラヘラしている感じです。
それに対するお母さんやまるちゃんも「もう、どうしようもないお父さんだねぇ」と、立ち向かうでもなく逃げるでもなく、受け流しています。
お互いがお互いを「いなす」ことで、関係性が成り立ってるんですね。
「立ち向かう」ことも「逃げる」こともできない関係性の中では、「いなす」ことが唯一の解決策になります。
つまり、解決しないことが解決策と言えます。
ただ、メンタルが弱っているときは、この「いなす」ことがどうにもうまくできません。
そこで必要になってくるのが、抗うつ薬などの薬。凧が風で壊れないように、薬で補強してあげるのです。
これが心療内科で行われていた治療の正体だと、先生は話してくれました。
先生からこの話を聞いたとき、僕は「なるほどなー」と、初めて自分を客観視できた気がしました。
病んでいた時期は僕も周りが全然見えてなかったですからね。「薬を飲んでも全然効果がない」「話を適当にしか聞いてくれていない」と、心療内科自体を疑っていたことがありました。
先生自身も僕を「いなしてた」わけです。患者という台風は「いなす」しか解決策がありませんから。
でも、すべては意味があったことなんですね。健康になった後に聞くと、ストンと腑に落ちた気がします。
もちろん解決策として「立ち向かう」や「逃げる」を選んでもいいんですが、どれを選ぶにしても薬による補強が必要だったということ。
効果があるのか分からない抗うつ薬にも意味があったんです。
メンタルヘルスシリーズの最後に
これまで5回にわたってメンタルヘルスシリーズを書いてきました。
過去の記事を読んでない人は、ぜひ読んでみてください。あなたが抱える問題を解決する糸口になるかもしれません。
当事者だから語れる「メンタルヘルスシリーズ」
- 【第1回】心療内科ってどんなとこ?受診タイミング・治療内容・受診した感想
- 【第2回】経験者が語るうつ病とうつ状態の違い
- 【第3回】僕が僕が職場で体験した適応障害の症状【適応障害の人の心の中のイメージ】
- 【第4回】抗うつ薬って効かないのか?体験談を語る
- 【第5回】ストレス耐性が弱い人の生き方 メンタルが弱い人の唯一の解決策
全ては僕の個人的な感想なので、学術的に間違ってる箇所もあるかもしれません。
メンタルの病気にもいろんなパターンがあるので、僕の体験が絶対というわけではありません。
ただ、専門家の解説や書籍の情報よりも、こういった当事者の生の声に救われる人もいるかもしれないと思い、ここまで書いてきました。
かくいう僕もストレス耐性が弱くメンタルも弱いままですが、こうやって元気に生きています。なので、今悩んでいる人も、きっとどこかに出口はあるはずです。
このメンタルヘルスシリーズが少しでも人生の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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