独立して軌道に乗ったのはいいけど、「翌年はガッポリと税金で持っていかれた」という話はよく聞きますよね。
翌年の税金を払えずに破産する一発屋芸人もいるぐらいですし。
個人事業主・自営業は、儲かった翌年の税金や社会保険がすごく高いんです。
僕は独立して3年目になりますが、去年わりと儲かったので、今年はガッポリと税金で持っていかれました。(+_+)

独立して1年目はウハウハでも、2年目は税金や社会保険の支払いで金欠になったりするんですよ。
だから、前もっていくらぐらい必要になるかは知っておいた方がいいでしょう。
個人事業主・自営業はいくら税金を払わないといけないのか、2年目以降にかかる税金や社会保険について解説します。
↓今回の内容は動画でも解説しています。
2年目以降にかかる税金や社会保険の種類
個人事業主・自営業が2年目以降に払う税金・社会保険は以下の通りです。
いつ払うのか納付時期も一覧にしたので、目安として参考にしてください。
種類 | 納付時期 |
---|---|
所得税 | 通常2月16日~3月15日(確定申告の期日まで) |
消費税 | 3月31日まで |
住民税 | 6月、8月、10月、翌年1月 |
健康保険 | 6月以降毎月(10期分) |
予定納税 | 7月、11月 |
個人事業税 | 8月、11月 |
僕は予定納税と個人事業税を知らなかったので、納付書が届いたときは慌てました(笑)。
6月以降は嵐のような徴収が待ってるので注意が必要ですよ。
それぞれの税金・社会保険の金額
では、それぞれの税金・社会保険はいくらかかるのかを見ていきましょう。
税金の計算って複雑で分かりにくいので、目安を知るために余分なものを省いた計算式で見ていきます。
とりあえずは課税所得を算出してみてください。
売上から経費を引いたのが「所得」です。そこからさらに各種控除を引いたのが「課税所得」です。
(売上)-(経費)=(所得)
(所得)-(各種控除)=(課税所得)
課税所得に各種税率をかけたものが、支払う税金の金額になります。
ただ、何に税率をかけるのかは税金によって違うので、ざっくりとだいたいの税額についてお話します。
細かい計算は省略したので、おおよその金額の目安として参考にしてください。
所得税
所得税は、通常2月16日~3月15日に行われる確定申告で支払います。
所得税は累進課税なので、所得によって税率が変わります。
課税所得300万円で10%ぐらいになります。
税率は5%~45%まであり、稼げば稼ぐほど税金を多く支払うことになります。
消費税
消費税は3月31日までに納めます。ご存知の通り売上の10%です。
ただし、前々年の売上が1,000万円以下の場合は免税事業者として納付義務は発生しません。
なので、よほど儲かってない限りはしばらく無視しておいてもいいと思います。
逆に免税事業者から外れると負担が大きいので、売上1,000万円を超えた頃から法人化を検討する人が多いみたいですね。
住民税
住民税は6月に納付書が届きます。一括で支払うか、6月・8月・10月・翌年1月の4分割で支払います。
税率は所得に関係なく10%です。自治体によって多少の違いはありますが、課税所得の10%を目安に考えておくといいでしょう。
累進課税ではないので、あまり稼いでいなくても結構多くの税金を取られます。
住民税は金額が大きくなりがちなので、気をつけておいた方がいいと思います。
健康保険
税金ではありませんが、健康保険も前年の所得を元に6月に保険料が決まります。
算出された保険料を10等分して毎月支払っていく形です。
自治体や家族構成によって保険料は違いますが、所得のだいたい10%ぐらいを目安に見ておくといいでしょう。
所得が200万円なら、年間20万円の保険料がかかる計算です。
サラリーマンだった人は「独立したら保険料が倍に増えた!」とびっくりしますが、サラリーマンは会社が半分負担してくれていたから安かっただけなんですね。
個人事業主・自営業は会社員と違って全額自己負担になるので、保険料は想像以上に高くなります。
予定納税
予定納税は「来年の税金を先に払っておく」という制度です。
所得税を15万円以上支払った人は、同じ額の3分の2を前年に納めないといけないんです。
7月に納付書が届くので、7月に3分の1を、11月に3分の1を納めないといけません。
たとえば今年に所得税を30万円納めたら、7月に10万円、11月に10万円を納める形です。残りの3分の1は翌年の確定申告で納めます。
先に納めた分、来年の負担は軽くなりますが、今年の税金で参っているときに来年の分まで徴収されるので結構キツいです。
任意ではなく義務だから、支払わないと延滞税がかかりますしね。
課税所得200万円ぐらいから発生してくるので、「ちょっと去年は儲かったな」って人は念頭に入れておきましょう。
個人事業税
個人事業税は個人事業主や自営業にかかってくる税金です。
8月に納付書が届き、8月と11月の2回に分けて支払います。
税率は業種によって0%~5%と違いますが、ほとんどの業種では課税所得の5%です。
事業主控除が290万円あるので、ほとんど儲かってない年には発生しません。
しかし青色申告特別控除が適用されないため、所得225万円あたりから納税義務が発生します。
予定納税と同じく「ちょっと儲かったな」ぐらいから発生してくるクセモノの税金です。

2年目以降、収入の4割は消えるので注意しよう
こうやって見ると、個人事業主・自営業はすごくたくさんの税金や社会保険を支払っているのが分かるかと思います。
トータルすると、収入のおおよそ3分の1は税金と社会保険で消えるんじゃないでしょうか。
ここからさらに国民年金の支払いも加わるので、収入の4割は消えると覚悟しておいた方がいいでしょう。
収入が500万円だと、200万円は持っていかれる計算です。
一発屋芸人が破産するのもよく分かりますね。(^_^;)
対策としては、「経費を増やすこと」と「控除を増やすこと」です。
経費や控除を増やせば課税所得が下がり、税金や社会保険の負担額も減ります。
小規模企業共済・iDeCo・ふるさと納税など、いろんな節税対策を活用していくのがいいでしょう。
関連記事ふるさと納税体験談!実際にやってみて感じたメリット・デメリット
また、1年目に儲かったからといってハメをはずしすぎないのも大事ですね。
税金や社会保険は翌年にガツンと請求されるので、手持ちの現金を残しておきましょうね。