失業中の就職活動は何かとお金がかかりますよね。特に面接に行くまでの交通費は、収入のない無職にとってはキビシイです。
なけなしの交通費を使って面接に落ちた日には「交通費返せよ!」って思いますよね。
でも、失業中は面接にかかった交通費をハローワークから支給してもらえる制度があるんです。
遠方へ求職活動した場合に限りますが、広域求職活動費という制度を利用すれば、面接でかかった交通費の全額が返ってきます。
ここでは、広域求職活動費の支給条件や申請方法、いくらもらえるのかについて解説します。
↓今回の内容は動画でも解説しています。
広域求職活動費とは
広域求職活動費とは、遠方の企業の面接を受ける際にかかった交通費の実費が支給される制度です。
このような遠隔地へ就職活動することを「広域求職活動」と言うのですが、広域求職活動を補助する目的で設けられています。
広域求職活動費は交通費だけでなく、宿泊を伴った場合には宿泊費も支給されます。
どれだけ離れた会社を受ければ支給されるかというと、以下のような就職活動が対象になります。
広域求職活動費の対象
- 交通費・・・居住区を管轄するハローワークと訪問先の企業を管轄するハローワーク間の距離が鉄道で往復200km以上
- 宿泊費・・・居住区を管轄するハローワークと訪問先の企業を管轄するハローワーク間の距離が鉄道で往復400km以上
注意すべきは企業までの距離ではなく、企業のあるエリアを管轄するハローワークまでの距離で算出される点です。
往復200kmというと遠く感じますが、片道だと100kmですので、東京から沼津ぐらいの距離です。
地方から東京の会社を受ける場合や、Iターンで地方に帰る場合などに利用できそうですね。
支給される金額
広域求職活動費で支給される金額は、交通費と宿泊費で次のように定められています。
広域求職活動費の支給金額(交通費)
- 鉄道賃:普通旅客運賃相当額(急行・特急列車を運行する路線は急行・特急料金を加える)
- 船賃:二等運賃相当額
- 航空賃:実際に支払った航空運賃の金額
- 車賃:kmにつき37円
広域求職活動費の支給金額(宿泊費)
原則1泊8,700円(一部地域は7,800円)
※距離と訪問事業所数に応じて最大6泊分まで支払われる
宿泊日数は最大6泊まで認められていますが、訪問する企業の数によって次のように異なります。
距離 | 訪問2ヶ所以上 | 訪問3ヶ所以上 |
---|---|---|
400km以上800km未満 | 1泊分まで | 2泊分まで |
800km以上1,200km未満 | 2泊分まで | 3泊分まで |
1,200km以上1,600km未満 | 3泊分まで | 4泊分まで |
1,600km以上2,000km未満 | 4泊分まで | 5泊分まで |
2,000km以上 | 5泊分まで | 6泊分まで |
支給条件
広域求職活動費の支給条件は次のようになっています。
広域求職活動費の支給条件
- 雇用保険の受給資格者であること
- 待期期間が終了していること
- ハローワークに紹介された求人が管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること
- 雇用保険の受給手続を行っているハローワークから、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離(往復)が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で200km以上あること
- 訪問先から交通費・宿泊費が支給されないこと、またはその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと
基本的には失業保険の受給が始まってから利用できる形ですね。
また、職業紹介の拒否等による給付制限を受けた場合は、その給付制限期間が経過した後に広域求職活動を開始したことが必要です。
申請方法
広域求職活動費の制度を利用するには、事前にハローワークから「広域求職活動指示書」と「広域求職活動面接等訪問証明書」を受け取ります。
面接を受けたら、面接を受けた会社に「広域求職活動面接等訪問証明書」の事業主証明欄を記載してもらいます。
そして面接が終わった日の翌日から10日以内に、提出書類と一緒にハローワークで申請を行います。
広域求職活動費の申請方法
- ハローワークで「広域求職活動指示書」と「広域求職活動面接等訪問証明書」を受け取る
- 面接等を受けた事業所に「広域求職活動面接等訪問証明書」の事業主証明欄の記載をお願いする
- ハローワークに書類を提出する(広域求職活動を終了した日の翌日から10日以内)
ハローワークに提出する書類は以下の通りです。
申請時の提出書類
- 支給申請書
- 雇用保険受給資格者証
- 広域求職活動指示書
- 広域求職活動面接等訪問証明書
なお、広域求職活動費は訪問先の会社へ就職したかどうかにかかわらず支給されますが、パート・アルバイトなどの短期労働者の場合は支給されないのでご注意ください。
就職活動の費用は上手に節約しよう
広域求職活動費以外にも、就職活動の費用を節約できる制度はあります。
引っ越しを伴う遠方に就職したときは、引っ越し代と交通費が支給される「移転費」という制度もあるんです。
関連記事転職の引っ越し費用を会社が負担してくれない時の補助制度【移転費】
あんまりこういうことはハローワークでは教えてくれないので、対象になる方はぜひ知っておいてくださいね。
詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。
制度をうまく使って、就職活動にかかる費用を節約しましょう!