退職するときは会社に健康保険証を返却しないといけません。
もし健康保険証を返却しないとどうなるのでしょうか?
失効した健康保険証を使い続けていると、いずれ保険制度が負担している7割分の請求が届き、高額な医療費を払うことになります。
「オレは会社がムカつくんだ。保険証を返さないで困らせてやる!」と考えたとしても、最終的に困るのは自分です。
会社に健康保険証を返却しないとどうなるのか、詳しく解説します。
退職したら今までの保険証は使えなくなる
会社を退職すると、今まで使っていた健康保険証は使えなくなります。
退職日で健康保険の資格が喪失するので、退職日翌日からは新たな健康保険に入り直さないといけません。
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通常、資格喪失の手続きは会社が行います。
会社が社員の健康保険証を回収して、協会けんぽや健康保険組合などの保険者に資格が喪失したむねを届け出ます(健康保険被保険者資格喪失届)。
しかし、退職者と連絡が取れなかったり音信不通だったりすると、回収不能というむねを保険者に届け出ます(健康保険被保険者証回収不能届)。
返却していようがいまいが、今まで使っていた保険証は無効になってしまうんです。
保険証を返却せずに会社を辞めると、まずは会社(人事部や総務部)から電話がかかってくるでしょう。
これは「保険証を早く返してください」という催促です。
それを無視し続けていても、結局は強制的に無効にさせられてしまうだけです。
返却しなかった保険証を使い続けるとどうなるのか?
健康保険証を返却しなかった場合、退職日で健康保険の資格は喪失します。
とはいえ、その保険証自体は医療機関で使い続けられます。
医療機関は在職者かどうかをいちいちチェックしないので、古い保険証でも使い続けられてしまうんですね。
しかし、失効した健康保険証を使い続けていると、いずれ保険者のところで引っかかります。
そして、保険制度が負担していた7割分の医療費を請求されます。
たとえば1万円の治療を受けて3割負担の3,000円を払っていたら、残り7割分の7,000円を請求されます。
健康保険に入り直せばこの7割は返還されますが、いったん大きな額を払うので失業者にとっては結構イタイです。
いずれにせよ、手続きしておかないととても面倒くさいことになります。
退職したら必ず健康保険証を返却して、新しい健康保険に入り直しましょう。
退職後の健康保険には「国民健康保険」と「会社の健康保険の任意継続制度」という2つの選択肢があります。
退職後の健康保険
- 国民健康保険に入る
- 会社の健康保険の任意継続制度を使う
人によってどちらが得かは違ってきます。
次の記事で国民健康保険と任意継続のどちらが得かを解説してるので、自分に向いた方に入ってください。
関連記事任意継続と国民健康保険どっちが得か?退職後の健康保険の選び方
保険証を返却できないときは郵送でもOK
何らかの理由で健康保険証が返却できい場合は、郵送で返却しましょう。
手渡しじゃなくても会社に届けばOKです。
辞表をバーン!と出して辞めたときなど、後から顔を出すのは気まずいなら郵送で返却をしましょう。
郵送で健康保険証を返却するときは簡易書留で送りましょう。
大事な書類なので、郵便事故による紛失を防ぐためです。
保険証単体で送るのではなく、「返却が遅れて申し訳ありませんでした」と手紙を添えた方が無難ですね。
いくら会社を恨んでいても、ちゃんとあいさつしておくのが大人の対応です。
退職の手続きでまごついても、何もいいことはありません。
「立つ鳥跡を濁さず」なので、手続きはスムーズに済ませてスッキリと退職しましょう。