ここ最近広まりつつあるキャリアブレイクという言葉をご存知でしょうか?
会社を離職した無職の期間を前向きに捉える考え方のことです。
僕もかつては会社を辞めてあれこれもがいていた、約1年間の無職期間がありました。
でもその1年間があったおかげでこの「明るく楽しく!無職生活」のブログが作れたし、独立してブログやYouTubeの収益で生きていく道が見つかりました。
サラリーマンを続けていたら、このような人生を変える道は見つけられなかったでしょう。
世間からは暗くて辛い無職期間に見えますが、この期間はまさに人生を好転させたキャリアブレイクの期間だったわけです。
このように無職の期間を前向きに捉えるキャリアブレイクの考え方についてお話します。
キャリアブレイクとは
キャリアブレイクとは、一時的に仕事を離れてこれからのキャリアを見つめ直す小休止の期間のことです。
単に仕事を辞める離職とは違って、今後の人生を好転させるために主体的に休むことを意味します。
離職している間は次のキャリアのためにリスキリング(学び直し)をしたり起業の準備をしたり、次のステップに必要なことに取り組みます。
ほかにも育児や介護、海外旅行や留学、心身の回復のための休息期間にあてるのもいいでしょう。
いずれにせよ、この自由な時間を使ってこれからの人生に必要なことをやっていくわけですね。
キャリアブレイクは欧米では浸透している考え方です。
日本ではネガティブなイメージの「無職」も、欧米ではポジティブに捉えられています。
そしてこのキャリアブレイクの考え方は、日本でも徐々に広まりつつあります。
たとえばヤフー株式会社は、勤続10年以上の正社員を対象に最長3ヶ月間の長期休暇を取得できる制度を導入しています。
これは企業に在籍しながら休む「サバティカル休暇」というもので厳密にはキャリアブレイクとは違いますが、欧米ではこういった休暇制度のある会社は多いです。
離職せずに休めるなら、これほどありがたいものはないですよね。
ほかにもビジネス用SNSのLinkedInでは、自分のキャリアを紹介する項目にキャリアブレイクが追加されました。
離職期間を「プラスの要素」として職務経歴書に記載できるわけです。
離職期間を単なる「ブランク」ではなく、「プラスの経験」と考える。
このキャリアブレイクの考え方が広まれば、もっと柔軟に働き方を選べるようになるのではないでしょうか。
立ち止まらずに進むだけが正解ではない
日本では定職に就かない空白期間(ブランク)は、周りから白い目で見られがちです。
無職のまま働かないでいると、「なんで仕事をしないの?」「早く就職しなさい」と家族や友人からあれこれ言われる羽目に。
無職という肩書きに居心地の悪さを感じることもあるでしょう。
それが嫌だから辞めたくても辞めれなかったり、辞めてもすぐまた次の仕事に就く人は多いです。
日本では「とにかく仕事をしていることが正義」と考えられているから、辞めてじっくり人生を考える期間をなかなか持てないのです。
でも人生には立ち止まる時間も必要です。
仕事に忙殺されていては、自分の将来を真剣に考えることもできません。
本当はやりたいことがあるのに、目の前の仕事にばかりに時間を奪われてしまう。
そうやって惰性で生きていて幸せと言えるのでしょうか?
歳を取ってからきっと後悔すると思いませんか?
僕もサラリーマン時代は、イヤイヤ人生を生きてました。
本当は会社で働きたくないと思いながらも、自分で自分を会社に押し込めていたのです。
僕は無職になったとき、「再就職するしかないよな…」と思っていました。
でも心の声に耳を澄ますと、「やっぱり会社で働きたくない」「ブログで収入を得て一人で生きていきたい」という想いがありました。
だったらその気持ちに正直になろうと。
せっかく時間があるのだから、すべての時間を「ブログで収入を得て独立する」という方向に注ぎ込んだんですね。
おかげでブログ収入で食べていくという、今の生活を築き上げることができました。
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もし会社を辞めなかったり、辞めてもすぐ再就職していれば、今の生活はなかったでしょう。
モヤモヤを抱えながら不幸なサラリーマンを続けていたと思います。
僕は無職の期間に本当にやりたかったことを見つけて、そちらに時間を注ぎ込むことができました。
働くのをいったん中断したから、本当に行きたい道へ進むことができたのです。
立ち止まらずに進むだけが正解ではありません。
道を修正するには長い空白の時間が必要です。
だから人生には、いったん仕事を離れて進む方角を熟慮する期間も必要だと思うんです。
無職でいるのに引け目を感じるなら、これはキャリアブレイクだと自分を納得させればいいのです。
日本でもキャリアブレイクが必要な理由
雇用情勢が変わっていく中で、日本でこそキャリアブレイクが必要だと思います。
日本ではまだまだ終身雇用の考えが根強いです。
だから「一度キャリアから離れてしまうと二度と戻れなくなる」と考える人が多いです。
でも、仕事から離れたときにこそ見えてくるものもあるんですね。
僕も会社から離れてみて初めて「会社で働きたくない」という本当の気持ちに気づき、そちらに力を傾けることができました。
そうやってみんなが好きな仕事をできるようになれば、日本の生産性も上がると思うんですよ。
キャリアブレイクが浸透すれば、誰もが会社を辞めることを躊躇しなくなります。
すると雇用が流動化するので、中途採用だからといって不利ではなくなります。
たとえ空白期間(ブランク)があっても、「あ、キャリアブレイクしてたんだ」と認められるようになるでしょう。
そうやって中途採用でも雇われやすい世の中になれば、人手不足の解消にもつながるのではないでしょうか。
一般社団法人キャリアブレイク研究所の代表理事・北野貴大さんは、キャリアブレイクを「文化として広めたい」と言っています。
確かにキャリアブレイクが文化として根付けば、今のように「イヤイヤ働き続ける」という社会も変わってくるのではないでしょうか。
気軽にキャリアブレイクできる社会こそが、日本には必要だと思います。
だって40年も働き続けるのっておかしくない?
僕自身、社会人になるときずっと疑問に思ってたことがありました。
大学を卒業してから定年になるまで、約40年間も休みなく働き続きるのっておかしくない?って。
だって40年ですよ。めちゃくちゃ長い。40年あればその間に考え方ややりたいことも変わるでしょう。
なのに一つの仕事をやり続けなきゃいけない。
無職になることに抵抗を感じてしまうから、大半の人が軌道修正せず突き進んでしまいます。
そして人生の終盤になって「今まで何をやってきたんだ…」と後悔してしまうんですね。
普通は自分の変化に合わせて軌道修正する時間も必要なはずです。
だから無職になっても白い目で見られない空気が必要だと思います。
そのためには、キャリアブレイクという考え方がもっと浸透してほしいんですね。
無職になるのは自然なこと。それは自分のキャリアを再考するのに必要な時間だから。
もちろん無職の間はお金の問題も出てきますが、もっと気軽に無職になってもいいと思うんです。
そうやって自分らしく生きられる人が増えると、今より働きやすい世の中になるのではないでしょうか。