40歳を過ぎて何のスキルもないと、なかなか就職先は見つかりませんよね。
そんな40代・50代の行きつく先としてパッと思いつくのがタクシードライバーです。
求人の年齢制限を見て「この歳だとタクシー乗務員の求人しか残ってない!」と感じている人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、世間一般のタクシー運転手に対するイメージはよくありません。
「安月給で酔っ払いの相手をする底辺の仕事」というマイナスイメージを持っている人もいると思います。
確かに街中のタクシーを見ると中高年ドライバーばかりなので、「サラリーマンから脱落した人が行きつく場所」と認識されているのかもしれませんね。
もちろん駅前でダラダラ客待ちをしているだけなら、収入はきっと低いでしょう。
でも実情は実力次第で高収入が得られ、自由な働き方のできる「向いている人にはとても向いている仕事」だったりするのです。
「安月給で重労働」という世間のイメージとはちょっと違う、タクシー運転手の年収や労働時間の実態に迫りますね。
目次
安月給は嘘?タクシー運転手の年収は意外と高い
まずはタクシー運転手の年収を見ていきましょう。
タクシー運転手は歩合給です。固定給の会社はほとんどなく、賞与があったとしてもそれは積み立てた歩合給が年2、3回に分けて支払われる仕組みになってます。
歩合の率は50%~60%。5万円売り上げたら2万5千~3万円が手元に入ってくる計算です。
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会の統計によると、令和元年度のタクシー運転手の年収は、全国平均が360万3,800円となっています。
とはいえ「40代・50代で年収360万円では、やっぱりサラリーマンよりは安いなぁ」と感じる人もいるのではないでしょうか。
でも、この年収は首都圏と地方では大きな差があります。
タクシー運転手の主要な都道府県別年収(令和元年)
都道府県 | 年収 |
---|---|
東京 | 484万円 |
神奈川 | 414万2,100円 |
大阪 | 412万6,000円 |
青森 | 251万7,800円 |
沖縄 | 249万8,200円 |
東京と沖縄では230万円ほどの開きがあります。
地方では200万円台でも、東京や神奈川など首都圏では年収400万円以上が相場なんですね。
年収400万円なら派遣や契約社員で働くよりも高給になるケースが多いでしょう。
ましてやブラック企業でサービス残業させられるぐらいなら、タクシー乗務員として夜中にガッツリ稼ぐ方が割に合うのではないでしょうか。
それに、この平均年収には「定時制」という短時間勤務の人が含まれているのもポイントです。
後で話しますが、「定時制」で働いている人の多くは年金受給中の高齢者。
タクシー運転手の平均年齢は60.0歳で、年金の足しに少しだけ働く高齢者が平均年収を引き下げてるのです。
この高齢者層を除けば、ガッツリ働く世代の年収はもっと上がると思います。実際、首都圏では年収500万、600万と稼ぐタクシードライバーはたくさんいます。
タクシー運転手の労働時間
タクシー運転手の労働時間には「隔日勤務」と「定時制」があります。
また、数は少ないですが「日勤」というサラリーマンと同じような勤務形態も存在しています。
「隔日勤務」「定時制」「日勤」それぞれの違いを説明します。
隔日勤務
「隔日勤務」とは通称「かっきん」と呼ばれ、タクシー運転手の一般的な勤務形態です。
1日の労働時間は16時間程度。20時間以内の労働に、3時間と1時間の休憩が入ります。
例えば朝8時から翌朝4時までの勤務で、拘束時間は20時間という具合です。
勤務の翌日は休みになるので、月の出勤日数は12日ぐらい。週の労働時間は40時間程度に抑えられています。
総労働時間で考えると、サラリーマンとそんなに大差ないのが実態です。
定時制
「定時制」とはいわゆるパートタイマーで、年金受給者が小遣い稼ぎにやっているケースが多いです。
月8日ぐらいの出勤日数で、労働時間も3分の2程度に抑えられています。
一定以上稼ぐと年金が減額されるので、その範囲内で働く人には都合の良い勤務形態です。
日勤
「日勤」とは1日の労働時間が8時間で週5日働くという、サラリーマンに近い勤務形態です。
朝8時~16時ぐらいで勤務する「昼日勤」と、夜20時~翌朝6時ぐらいで勤務する「夜日勤」があり、割増料金になる「夜日勤」は人気があります。
ただし、日勤を実施しているタクシー会社はそんなに多くありません。
タクシー運転手になるために必要な資格
タクシー運転手になるには二種免許が必要です。
二種免許とは普通自動車第二種免許のことで、一般的な普通自動車第一種免許と違ってお客を乗せて輸送ができる資格です。
資格取得には第一種普通免許取得から3年経過が必要で、第一種免許と同様に学科試験と技能試験があります。
自動車学校に通えば1週間ほどで取得できますが、だいたい20万円ほどの費用がかかります。
とはいえ、タクシー会社に入社すれば、費用は全て会社が負担してくれるところがほとんどです。
第一種免許より難易度は高いですが、普段安全運転している人なら難なく取れるんじゃないでしょうか。
また、特定の地域で勤務するためには地理試験にも合格する必要があります。
地理試験とは、道路の名前や地名、目的地までの最短ルートや料金などをテストする試験で、公益財団法人タクシーセンターが運営しています。
東京・横浜・大阪などの特定指定地域で業務をするなら、この資格が必要です。
地理試験の費用も二種免許同様、会社が負担してくれるケースが多いです。
タクシー業界専門の転職サイト
このように、タクシー業界は独特な世界です。他業界では見たこともない勤務形態や給与体系など、戸惑う慣習も多いです。
何も知らないまま求人票を見ても、良いのか悪いのか判断できないことが多いんじゃないでしょうか。
よく分からないまま求人に応募すると、業界の風習やシステムに面食らいがちです。
それこそ「稼げます!」といった謳い文句につられてブラック企業に就職してしまう人もいるでしょう。
といっても、タクシー運転手になるのは他業界の出身者ばかり。ほとんどが業界には無知な人のはずです。
なので、タクシー業界に就職するならタクシー業界専門の転職サイトを活用することをおすすめします。
タクシー専門の転職サイトの中には、体験入社ができたりメール相談ができたり、初めてタクシー業界に踏み入れる人に向けたサポートがそろっています。
ハローワークや新聞広告から応募するよりも、こういった専門の転職サイトから応募するようにしましょう。
ここでは初めての人が使いやすい、優良なタクシー専門転職サイトを紹介しますね。
タクシー体験入社.COM
タクシー体験入社.COMは、タクシー会社に体験入社ができるという日本初の求人サイト。
体験入社ができる求人をそろえており、気軽に1~3時間の体験プログラムを受けられます。
いきなり面接を受ける必要がないので、自分にもタクシーの仕事ができそうかを判断してから応募ができます。
しかも体験入社をした後には、応募先が定めた報酬がもらえるのもうれしいところ。
いきなり求人に応募するのが不安な人は、まずここから試してみましょう。
タクQ
タクQはタクシー業界に特化した転職支援サービス、いわゆる転職エージェントです。
登録すれば専任のコンサルタントが担当につき、あなたに合ったベストなタクシー会社を紹介してくれます。
コンサルタントは業界を熟知していて、待遇や勤務体系などわからないことは無料で相談ができます。
さらに入社した際には、入社祝い金として10万円(最高で40万円)を支給。
入社後も稼ぎ方のコツなどをフォローもしてくれるので、一人で業界に飛び込むのが不安な人は利用してみましょう。
タクシー運転手が天職の人もいる
タクシー運転手の稼ぎは頑張り次第で不安定なところはありますが、その代わり口うるさい上司はいませんし、人間関係のストレスもありません。
自分のペースで仕事ができるという、ある意味自営業に近い働き方だと思います。
僕も自営業で働いていますが、こういう働き方って合っている人には合っていると思いうんですよ。
おそらくサラリーマンに窮屈さを感じる人にとっては、タクシー運転手は生き生き働ける天職なのではないでしょうか。
最近は若い人や女性も多いので、再就職候補に入れてみるのもいいかもしれませんよ。