無職・ニートの期間が長引くと、社会復帰もどんどん難しくなってしまいますよね。
30代・40代ともなればなおさらのこと。面接を受けても落ちてばかりで、社会に戻れるのか不安にもなるでしょう。
一般的な仕事に就けないのなら「もう介護でもやるしかないかな…」と考えてる人もいるのではないでしょうか。
実際、超高齢化の現代では介護職員は慢性的に不足しており、無職・ニートでも介護職にはなりやすいのは事実です。
とはいえ、未経験からいきなり介護職になるのは勇気がいりますよね。
「やっていけるのかな?」「仕事がキツいのでは?」「すぐ辞めることにならないだろうか?」と、二の足を踏むことも。
そこで、無職・ニートがいきなり介護業界に就職して務まるのかを解説します。
未経験でも採用されるのか?資格は必要なのか? さらには給料や現場の実態についてもお話します。
次の選択肢に介護職を考えてる人は、ぜひ参考にしてください。
目次
未経験や職歴なしでも採用されるのか?
これから介護職を選ぼうとしている人の中には、「自分にはもう介護職か残されていない…」と考えてる人もいるでしょう。
「介護は底辺職」という偏見を持ってる人もいるかもしれません。
でもいくら人手不足とはいえ、誰でも彼でも採用されるものなのでしょうか?
まずは介護職の採用と離職の実態を見ていきましょう。
無職・ニートでも採用はされやすい
介護職は他の職種と比べても、確かに採用はされやすいです。
介護の現場は常に人手不足です。
2023年5月の有効求人倍率を見ると、全職業の合計が1.10倍なのに対し、介護サービス従事者は3.54倍になっています。
これは求職者1人に対して約3.5件の求人があるということ。
他の職種と比べると、求人に対して全然人が足りていないのが分かりますよね。
実際、他の企業では落とされる人でも、介護職なら採用されることはよくあります。
40代・50代で再就職が難しい人でも受かりやすいでしょう。
それに介護業界では「未経験可」「無資格者歓迎」をうたっている事業所が多いです。
苦労して経験者を探すよりも、未経験でも指導や研修によって現場の力になってもらおうとしてるところが多いんですね。
採用の基準も「スキル」や「経験」ではなく、「人柄がいいか」「シフト制の勤務ができるか」といった部分に重点が置かれています。
もちろん施設にもよりますが、無職・ニートの期間が長い人や職歴なしの社会人未経験者でも採用されやすいでしょう。
関連記事職歴なし・社会人経験なしの20代後半が正社員として就職する方法
離職率は改善傾向にある
介護の現場で働くと分かりますが、介護職は他の職業よりも離職率が高いです。
仕事の負担が大きかったり給料が安いという理由もありますが、それよりも退職理由の大きなウエイトを占めるのが人間関係です。
というのも、介護職は女性比率が高いため職場の人間関係が密になりがちなんですね。
そのため職場の人間に嫌われてしまうと、一気に働きづらくなるという側面はあります。
ただ、介護職の離職率は近年は改善傾向にあります。
2021年度の介護職員の離職率は14.3%となっています。
2007年度が21.6%だったので、そのときと比べると離職率は3分の2まで減っています。
介護職員を増やすため、働きやすい職場環境を推進してきた各事業所や国・地方自治体の政策が功を奏していると言えるでしょう。
ただ、全体的な離職率は低下傾向でも、事業所によっては離職率が高い職場もあります。
たとえばハローワークでいつも求人が出ている事業所は、常に人員を募集している状態です。
人員が定着せず離職率の高い職場かもしれないので注意しないといけません。
このような職場を避けるには、この後に説明する転職エージェントを使って就職活動するのがいいでしょう。
介護専門の転職エージェントを活用しよう
無職・ニートから介護職へ就職するとき、自分だけで就職活動するのはおすすめしません。
というのも異業種への就職だから、どういう職場がいいのか自分だけでは分からないからです。
未経験から介護職へ就職するなら、介護専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントというとハイキャリアの人が使うイメージですが、介護専門の転職エージェントもあるんですよ。
転職エージェントは無資格者・未経験者でも利用できます。
担当のアドバイザーがあなたの希望を丁寧にヒアリングした上で、最適な職場を紹介してくれます。
ハローワークや転職サイトでは分からない情報も教えてくれるので、職場選びで失敗する確率が減るんです。
介護業界の事情にも詳しいから、就職活動に悩んだときはいつでも相談ができます。
もちろん登録は無料。「介護で働くかまだ悩んでる」という人が利用してかまいません。
複数登録して良い求人を幅広く探すのがいいと思いますよ。
ここでは無資格者・未経験者でも丁寧に対応してくれる転職エージェントを紹介します。
レバウェル介護
レバウェル介護は介護業界に特化した転職支援サービスです。
介護業界が初めての人でも、専任のアドバイザーがついて就職活動のサポートをしてくれます。
面接の予定調整や待遇面の交渉など、面倒なことはすべて肩代わり。
施設内の人間関係・雰囲気・評判など一人では知ることが難しい情報も教えてくれるから、ホワイトな職場を見つけやすくなるんです。
未経験で介護業界に飛び込むなら、まずはレバウェル介護から登録してみましょう。
かいご畑
かいご畑は、介護業界のパイオニアであるニッソーネットが運営する転職支援サービスです。
専任のコーディネーターが丁寧に希望をヒアリングしてくれ、非公開求人も含めた求人からピッタリな職場を紹介してもらえます。
全国展開しているため、地域に密着したサポートが可能。
キャリアアップ応援制度があり、資格を0円で取得することもできます。
正社員だけでなくパートや派遣の求人もあるので、幅広く求人を探したい人は登録しておきたい転職エージェントです。
介護職で働くのに資格は必要か?
介護系の資格はたくさんありますが、介護施設で働くだけなら資格は必要ありません。
実際に求人を見ると「資格不要」「未経験可」の職場は多いです。
ただ、資格は不要とはいえ働いていると様々な技術が必要であると分かります。
利用者をベッドへ移乗介助するときの体の使い方、認知症の利用者の対応や症状の見方など、利用者の生活を支える中では多くの知識が求められます。
たとえば認知症の方の対応では、なぜこのような言動をするのかと考えられる知識を持っていれば、自分の精神的な負担も軽減します。
資格は利用者の生活を支えるだけでなく、自分の心身の負担を減らすためのスキルでもあるのです。
なので資格を取るのは就職前でも就職後でもかまわないのですが、取っておくと後々役には立つでしょう。
介護の仕事をするにあたっての基礎的な資格を紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護に関する基礎的な知識と技術を身に付ける介護職としてのスタート資格です。
昔で言うところのホームヘルパー2級に当たります。
実務経験などの受験要件がないので、未経験者が最初に取るのがこの資格。
130時間の講習と筆記の修了試験に合格すれば取得できます。
事業所によっては働きながら資格取得の補助をしてくれるところもあるので、面接時に確認してみるといいでしょう。
介護福祉士
介護福祉士は、介護に関する一定の知識・技能を習得していることを証明する国家資格です。
専門的な知識や技術を持っており、日常生活を送るのに介護が必要な方への援助、またその家族など介護者への指導を行える介護のプロを指します。
福祉系の専門学校などの養成施設を卒業する以外は、実務経験が必要になります。
介護福祉士を取ると資格手当がつき、無資格者よりも給与がアップするケースが多いです。
なお、2022年の国家試験の合格率は72.3%。それ以前も70%前後なので、国家試験の中では合格率は高いといえるでしょう。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
介護支援専門員(ケアマネージャー)とは、介護される人が自立した生活を送るためにケアプランのマネジメントをする人です。
要介護者に適切なケアプランを提示するために介護保険制度などの知識も必要になります。
受験するには5年以上かつ900日以上の実務経験が必要で、合格率も約10%の難関資格です。
ただ、ケアマネージャーになると現場を離れて日中勤務になることが多いため、体力や家庭の事情から次のステップに取得する介護士は多いです。
介護職は3Kって本当?
介護職はよく「3K」と言われます。
3Kというのは「きつい・汚い・危険」の3つを指していて、労働環境の厳しさを表した言葉です。
近年では「帰れない・厳しい・給料安い」という「新3K」も唱えられています。
ただ、近年の介護の職場環境はだいぶ改善が進んできています。
実際に3Kなのか、現場の肌感覚を見ていきましょう。
きつい
介護の仕事はベッドから車いすへ起こしたり、逆に車いすからベッドへ移乗したりと、身体を使っての仕事が多いです。
加えて複数人の認知症の方の対応をこなしたり、体力的にも精神的にもきつい部分はあります。
シフト制が多いため、交代の勤務や夜勤もストレスになるかもしれませんね。
ただ、日々少しづつでも体力づくりをしたり、ストレスをしっかり発散することで仕事のしんどさは軽減できます。
続けていくには休日をきちんと休んで体力を蓄えておくのも大事ですね。
汚い
介護の現場で避けて通れないのが排泄の介助です。
介護を受ける利用者は寝たきりだったり1人でトイレへ行くのが困難なため、おむつを付けて時間ごとに交換をします。
最初は抵抗があっても、日常的な仕事なので徐々に慣れてくる職員が多いです。
しかし「どうしても慣れない」という人は、無理して介護の仕事を続けないのもひとつの案です。
施設より訪問介護の方が排泄介助が続くということがないので、働く形態を替えてみるのもひとつの選択肢でしょう。
危険
施設などの集団生活の場では、ノロウィルスやインフルエンザが発生すると集団感染が起こりやすくなります。
抵抗力の低い高齢者ですから、コロナのリスクもあります。
そういった集団感染の場で介助している介護職員は、感染のリスクが常に伴っていると言っても過言ではないでしょう。
集団感染が発生したり職員が倒れたりすると、事業所にとっても痛手になります。
各事業所では感染対策の研修や勉強会をするところが多いので、知識をつけて予防に努めることが大事です。
介護職の給料は安い?
介護職というと給料が安いイメージがありますよね。
介護の仕事は通常のビジネスとは違って、売れば売るほど利益が出るというものではありません。
事業所の収入は、利用者に対して行った介護サービスに応じて支払われる介護報酬です。
介護報酬の割合は介護保険法によって決められているので、事業所が儲けるために値上げしたりできないのです。
さらに事業所の支出の6〜7割は人件費が占めているとも言われます。
そのため職員一人一人の給料を高くするのは厳しい面があるわけです。
もし介護職で高い給与を望むなら特別養護老人ホームをおすすめします。
厚生労働省のデータで施設形態ごとの介護職員の平均給与が公開されていますが、特別養護老人ホームが最も高い金額が出ています。
施設の種類 | 平均給与額 |
---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 348,040円 |
介護老人保健施設 | 339,040円 |
介護医療院 | 320,700円 |
訪問介護事業所 | 315,170円 |
通所介護事業所 | 275,620円 |
もちろん特別養護老人ホームとなると重度の認知症の利用者を対応しないといけませんし、夜勤もあるため一概には勧められません。
ただ、介護の仕事で高い給与を求めるなら、特別養護老人ホームも選択肢に入れるといいでしょう。
賃金を上げて働く人を増やすために、国も介護職員の待遇を改善する施策を行っています。
介護職員の不足は国も危機感を持っていて、2025年には34万人の介護職員不足が予測されています。
2009年からは介護職員の賃金を上げるための介護職員処遇改善交付金が創設されました。
その後は介護報酬へ上乗せする形で介護職員処遇改善加算や介護職員特定処遇改善加算などが創設されています。
介護職員の待遇は少しずつ改善されつつあるのです。
ただし加算を得るためには事業所として、職場環境やキャリアパスなどの要件を満たすことが必要になってきます。
つまり、処遇改善に対して前向きな事業所の方が加算は取りやすくなり、結果的に給与の高い事業所になるのです。
職場環境の良い事業所ほど給与が高いということなので、就職活動での職場選びは非常に大事と言えます。
介護職に向いている人とは?
介護の仕事はその人の性格や気質にかかわる割合が非常に大きいです。
認知症の利用者は普通考えられないような行動をするので、対応をするには持ち前の性格のやさしさや根気も必要となります。
向いている人と向いてない人ははっきり分かれるので、自分自身の性格を分析しておくことが重要です。
性格診断や適職診断で自分が向いているか調べてみるといいでしょう。
関連記事転職・再就職に使える!無料の性格診断・適職診断まとめ
介護の仕事に向いているのはどんな人かを紹介します。
やさしい人
これはもう必須と言ってもいいかも知れませんが、介護に向いているのはやさしい人です。
もう少し具体的に言いかえると、人の立場に立ってものを考えられる人です。
介護では他者への気遣いや気配りが何より大切なので、これは最も重要な資質と言えます。
相手のペースに合わせることができる人
高齢の利用者は動作ひとつとるのにも大変なので、動きがゆっくりなことが多いです。
でも介護職員が全部介助してしまうと、利用者の残った機能は徐々に低下してしまいます。相手のペースに合わせて見守らないといけません。
このとき利用者の動作が完了するまできちんと待てるのは大事なスキルです。
聞き上手な人
高齢の方は自分の話を聞いて欲しい人が多いです。
これまでの人生の話をただ聞いてあげて、「そうだったんですね」「それは大変でしたね」「良かったですね」と共感してくれるだけで利用者は嬉しいものです。
こういった聞き上手な人も介護の現場では重宝されます。
オン・オフの切り替えができる人
介護の仕事は体力も使うし、身体的にも精神的にもハードなことが多いです。
そのため仕事とプライベートをきちんと切り分けることも必要です。
ストレスの溜まりやすい仕事なので、オン・オフを切り替えて仕事のことを引きずらないのも大事ですね。
まとめ
無職・ニートから介護職になって働けるのかを解説してきました。
介護職は仕事がハードで給料が安いイメージがありますが、近年は職場環境が改善しつつあります。
それに未経験者OKのところが多いので、ブランクが長かったり働いたことのない無職・ニートでも採用はされやすいでしょう。
ただし事業所によって給与や待遇に差があるので、職場選びは念入りにした方がいいです。
介護専門の転職エージェントを活用して、内部情報をしっかり把握してから就職するのが賢明です。
自分に合った職場なら、介護士として長く働くこともできます。
「もう介護しかない」と思っていた人も、始めてみると意外と向いているかもしれませんよ。
無職・ニートから介護職への第一歩を踏み出してみてくださいね。
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