最近はどこも人手不足なので、人材を集めるために求人票には魅力的な文言が踊っています。
しかし、求人票の中には仕事内容や労働条件が実際とは違う求人も混ざっています。
面接に行くとこんなふうに、求人票とかけ離れた内容を聞かされることがあります。
求人票と違う内容の例
「月収20万円と書いていたが、基本給は12万円で残りは残業手当だった」
「週休2日制のはずが、実際は1日だった」
面接で気づくならまだしも、入社してから実態に気づいては遅いですよね……。
実際とは違う内容で人を集めようとしている求人のことを、おとり求人と言います。
おとり求人にだまされないためにも、面接で労働条件はしっかり確認しておく必要があります。
企業が求人内容をごまかしている「おとり求人」の実態についてお話しますね。
僕が出会ったおとり求人の例
僕が転職で就職活動をしていたとき、こんな企業がありました。
ハローワークで見つけたんですが、「社内や関連会社の広告を作る仕事」と書かれていて、デザイナーの僕としては魅力的に感じた求人広告がありました。
しかし、面接に行ったときに仕事内容を尋ねると、中身は「各部署の求人広告を求人サイトに載せる仕事」だったんですね。
えっ? 広告を作る仕事じゃなくて、求人を載せる仕事?
仕事内容が求人内容と全然違うのです!
よく調べてみると、その会社は年中人を採用しており、ものすごい数の求人を掲載している企業でした。
だから求人を出す回数が多すぎて手が回らないので、それを専門にやって欲しいとのこと。
「ていうか、どんだけ人が辞めてんだよっ!」って思いましたよ。
僕は面接で「どういった実績を残せば評価されるんですか?」と質問してみたんです。
すると面接官は「出した求人広告で応募者がたくさん来たら評価されます」と言うんですね。
あぁ、それで実際の内容と違う魅力的な求人広告を出していたのか!
そしてそんな詐欺広告を作る人を募集しているということですか!?
ま、この会社には落ちたので別にいいのですが。
このように魅力的な内容で応募者を集める求人はおとり求人と言われています。
こういうのって「詐欺なんじゃないの!?」って思いますよね。
でも法律上、求人広告は「労働者に労働契約の申込を誘引させるもの」にすぎず、会社はこの記載内容に縛られないのです。
つまり、求人広告と違う内容でも「面接や内定時に明示すればOK」というわけなんですね。
だから求人票の内容を鵜呑みにしてはいけないです。明示された労働条件を必ず確認する必要があります。
入社前に労働条件通知書を必ずチェック!
間違ってブラック企業に入社してしまわないためにも、内定が出たら必ず労働条件をチェックしましょう。
たいていの企業は内定時に労働条件通知書をくれると思います。くれない企業には請求するようにしましょう。
内定時に「一生のことなので、条件もしっかり確認して決めたいので」と言えば発行してくれます。
そこで内定を取り消すような企業は、たぶん入ってもロクなことがありません。
労働契約は口頭でも成立するので、内定が欲しいからといって「はい、入社します!」と言うと、不本意な労働条件をのまされてしまう可能性があります。
一応、入社して2週間以内なら契約は即時解除できますが、履歴書にも傷がつくので現実的ではあまりせん。
すぐに就職したい気持ちは分かりますが、後々困らないためにもチェックは怠らないようにしましょう。
悪質なものはハローワークに相談を
こういった「おとり求人」を防ぐために、ハローワークも対策に乗り出しています。
ハローワーク求人ホットラインというのが開設されていて、求職者の「求人内容と違う」という相談に対応しています。
ハローワーク求人ホットライン
電話番号:03-6858-8609
受付時間:8時30分~17時15分(年末年始を除く全日)
泣き寝入りは同じような被害者を増やしてしまいますからね。
こういうところに相談することが、ブラック企業をなくすことにもつながると思います。
悪質な求人はハローワーク求人ホットラインに相談するようにしましょう。
本当の労働環境は口コミサイトで調べよう
企業の内部事情を求人票から知るには限界があります。
求人票に載っているボーナスや残業時間は、あくまで目安でしかないですからね。
実際に入社してみたら「ボーナスなし」「長時間残業」ということだってあります。
そんなブラック企業につかまらないためには、転職口コミサイトを利用するのがいいでしょう。
転職会議は無料で利用できる転職口コミサイト。登録すれば約20万社の企業の口コミが見られます。
転職会議の口コミは現役社員や元社員が書き込んでいるため、その信憑性は確かです。
たとえば「残業時間」や「有給取得率」といった求人票では分からない企業の実態が見られます。
「実力主義か年功序列か」「体育会系か頭脳系か」といった社風が一目で分かるのもいいところ。
転職後に「こんなはずじゃなかった!」という後悔を防げます。
応募する企業があるなら、求人票と違いはないか確認してみるといいですよ。
おとり求人に騙されてブラック企業につかまってしまったら一生後悔しますからね。
転職会議ならサービス残業から休日出勤まで、求人票では分からない労働条件の実態を知ることができます。
無料で登録できるので、気になる企業はここで内部事情を調べておきましょう。