コロナショックで会社の倒産が現実味を帯びてきましたよね。
「うちの会社も倒産するかも?」と不安になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで「潰れる前の会社はこんなふうになる」という、倒産寸前の会社の特徴や雰囲気を紹介したいと思います。
というのも、僕が以前に勤めていた会社って、リーマンショックのころに潰れかかった経験があるんですよ。
幸い経営破たんは免れましたが、「経営が危ない」と噂され出してから3年間はボーナスが出ず、6割がたの社員は退職していきました。
全国展開しているので知ってる人は知ってる企業だと思うんですけど、社内の雰囲気はホント最悪でしたね。
異常なほどの経費削減と退職の強要、上からの無為無策な命令など、毎日が混乱していました。
会社が潰れるときって、本当に潰れますからね。
自分の身を守るためにも、その兆候は知っておいた方がいいと思います。
会社が倒産するときの前兆・予兆について、僕の実体験をお話します。
↓今回の内容は動画でも語っています。
目次
倒産寸前の会社に起こる予兆
会社の経営が傾き出すと、見るからに社内の空気が変わってきます。
これらのサインが出ていると「だいぶ経営が危ない」と危機感を抱いた方がいいでしょう。
これらの予兆が起こるたびに倒産へのカウントダウンが進んでいるので、倒産前のチェックリストとして使ってください。
僕が勤めていた会社で実際に起きたことを時系列で紹介します。
異常なほどの経費削減が行われる
経営が傾くと、まずは異常なほどの経費削減が行われます。
たとえばコピー機は使うたびにコピー枚数の台帳記入が義務化され、用紙はすべて裏紙で印刷するようになりました。
そしてリース料を削減するため、コピー機が1台また1台と消えていきます。給湯室のコーヒーや新聞も消えていきます。
機械が故障しても修理のために稟議を通さなきゃいけなくなり、そのたびに機械の必要性を訴えなきゃいけなくなりました。
さらにすべての経費は社長が1円からチェックするようになり、ボールペン1本買うのにも稟議が必要になりました。
当然そんな面倒なことはやってられないので、みんな文房具を自腹で買うようになってきます。
役員や管理職がやたらと会議しだす
やたらと役員や管理職が会議しだすようになります。
毎朝早朝と業務終了後に会議。会議が長引くとまとめ役の管理職が朝礼に出席しなかったり、業務時間中も席を外すことが多くなります。
そして「経営がかなりヤバイらしい」「首切りの相談が行われているらしい」といった、まことしやかな噂が社員の間で出回り始めます。
支店の閉鎖・地方社員の解雇
いよいよ実際に支店の閉鎖や統廃合が始まります。
うちは全国展開してる会社だったのですが、支店の約3分の1が閉鎖されました。
閉鎖された支店は近くの支店に統合されたのですが、閉鎖って立ち上げよりもしんどいんですよね…。
箱を作るんじゃなくてなくすのだから、行き場のない物や業務が出てくるわけです。
さらに地方の社員は支店がなくなると通える勤務先がなくなるため、その時点で解雇となりました。
役員や有能な社員が逃げるように退職
「経営が危ない」という兆候が出始めてから、役員や有能な社員がどんどん退職していきました。
会社が潰れるときって、能力のある人から順に辞めていくんですよ
「この人がいなくなったら誰に頼ればいいの?」って人から辞めていく。
結果、残るのは無能な人ばかりになります。社長の周りは無能なイエスマンばかりが残りました。
あまりにも退職者が多いため、新規の採用も回らなくなってきます。とにかく人が足りなくて現場は疲弊。
このころは「1年で社員の半分が入れ替わる」というほどのブラックさでした。
派遣社員・契約社員・アルバイトの解雇
経費削減や支店の閉鎖が行きつくところまでいったら、今度はいよいよリストラが始まります。
リストラは派遣社員・契約社員・アルバイトなどの非正規社員から行われます。
僕も自分の部署の派遣社員に「契約更新はしません」と伝える立場でした。
派遣の人は「ま、しかたないですね」と受け入れてくれたのですが、これは辛かったですね。。
ボーナスが出なくなる
この会社はもともと給料の少ない会社で、良かったときでもボーナスは20~30万ほどでした。
しかしそれが10万になり、5万になり、やがてボーナスゼロに。
ボーナスの支給日には社長が朝礼で業績の説明をするのですが、ゼロになった日はすべてリーマンショックのせいだと言い訳をしていました。
その後ボーナスゼロが当たり前になるとその朝礼もなくなり、それから3年間は僕が辞めるまではいっさいボーナスは出ませんでした。
給料の減額
ボーナスがゼロになると、今度は給料の減額が行われました。
ほぼ全社員、いわゆる能力給の部分が減額されました。
そのときに面談が行われ、減額の理由を伝えられるのですが、あたかもこちらに非があるように言われるのです。
ほとんどの社員が減額になってるというのにね。
ちなみに残業代のカットはすでに行われており、上司の承認をもらわないと残業はできなくなっていました。
そのため年収は280万円まで落ち込みました。手取りではありません。額面でですよ。
正社員で15年勤め、部署のリーダーもやっていたのにこの金額です。やってられないよね。
社員への実質的な退職強要
いよいよ倒産の危機が迫ってくると、正社員への実質的な退職強要が行われました。
リストラ候補の人たちが一つの部署に集められ、ひたすら掃除や雑用をさせられるようになりました。
僕はその中には含まれなかったのですが、新卒で入社した子たちはほぼ例外なくその部署に入れられました。
若いから辞めても再就職できるという考えなのでしょう。
そしてその部署でも辞めない人たちは、地方への転勤を命じられました。
ひどいことに転勤先で何をするかも決まってないまま、転勤だけを命じられるのです。
しかもこの会社には住宅手当がなく、転勤先の家賃は自分で払わないといけません。
実家暮らしや家族のある社員は、無意味に家賃代を支払わないといけないのです。
そんな仕打ちを受けても会社にとどまる社員もいたのですが、ほとんどの社員はここで自主退職をさせられることになりました。
倒産寸前の会社の雰囲気
倒産寸前の会社はものすごくすさんだ雰囲気でした。
社長の命令が絶対というワンマン会社だったので、朝に言ったことが夕方には180度変わるのは日常茶飯事。
それも今までは管理職がうまく調整して現場へ流していたのですが、調整役が辞めてしまうと上がイエスマンだらけになるのです。
すると社長の無茶苦茶な命令がそのまま現場に降りてきて、現場は混乱に次ぐ混乱が起きました。
そんな倒産寸前の会社の雰囲気をお話します。
無計画な人海戦術が増える
会社に倒産が迫ってくると、少しでもキャッシュを得るために無計画な人海戦術が増えてきました。
たとえば社員全員で街へ出てチラシを配布したり、マンションへポスティングさせられたりしました。
見込み客がいるかどうかわからない場所で、ひたすらチラシ配布。
しかも業務の合間にやらされるので、通常業務は回らなくなります。ひどいときは1日6時間やらされました。
それも「一週間で100万部配れ」とか配る数字だけを目標にしていて、ちっとも売上につながらないわけですよ。
無為無策のまま「とにかくやれ」という精神論で押し切る、まるで竹やりで突っ込む日本兵のようでした。
ユニオンに駆け込む社員が出てくる
社員への実質的な退職強要が出てきたあたりから、労基署やユニオンに駆け込む社員が出始めました。
実際にこの会社は労基署の立ち入りも受けたことがあります。
そして退職強要の面談に対抗するためのマニュアルが、社員たちの間で出回るようになりました。
労組がないだけに、社員同士の情報網が頼りになってくるのです。
普段から他の人と交流のない社員は、退職強要面談の餌食になっていました。
大量離職で送別会がなくなる
毎月のように大量に人が辞めるため、それまで必ず開催されていた送別会も行われなくなりました。
最終的にはこの会社の従業員数は、最盛期の半分にまで減りました。
思考停止の丸投げが横行
上からの無茶苦茶な要求が増えるようになり、ただ丸投げするだけの命令が横行するようになりました。
役員から管理職へ、そして管理職から末端社員へ、「とにかくやれ」と丸投げしている状態。
そんな状態だから良い仕事ができるわけありません。クレームもどんどん増えます。
誰しもが「もうどうでもいい」という思考停止の末期症状でした。
会社が潰れそうなときにすべきこと
ここまで読んで「そんなひどいことが実際にあるのか?」と思われたかもしれませんが、本当なんですよ。
すべて現実に起こった出来事です。
会社が倒産するときは、本当に社内がめちゃくちゃになるんです。
これは決して他人事ではなく、あなたの身にも降りかかることかもしれません。
もし会社に倒産の前兆が出てきたなら、僕がアドバイスしたいのは「いい人になるな」ということです。
無茶苦茶な丸投げが横行するようになると、最後に割を食うのはいわゆる「いい人」です。
丸投げされた業務だって、退職強要だって、最終的には「いい人」が犠牲になります。
こんな殺伐とした環境でも、したたかな人は裏で転職活動をしてますからね。
したたかに、虎視眈々と次のステージを見つけましょう。
まだ会社が息をしているうちに、転職エージェントに登録して転職活動を進めておくのがいいと思います。
僕が活用した転職エージェントは↓こちらにまとめているので、参考にしてください。
関連記事【どこがおすすめ?】転職エージェント・人材紹介大手5社の比較まとめ
会社はあなたを守ってくれませんし、潰れそうになると平気で裏切りますよ。
会社の犠牲にならないためには、「いい人」にならずに戦う姿勢を持ち続けること。
それが倒産寸前の会社を生き抜くのに大事なことだと思います。